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平成27年決算特別委員会 本文 開催日:2015-10-13

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  1. 福岡市議会 2015-10-13
    平成27年決算特別委員会 本文 開催日:2015-10-13


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  10月13日  午前10時0分開会         〃 11時40分休憩        午後1時10分再開         〃 2時50分休憩         〃 3時0分再開         〃 4時15分閉会 議案審査  議案第167号ないし議案第191号、以上25件を一括して議題とし、審査を行った。  なお、質疑・意見は次のとおりである。 2 ◯平畑委員 みらい福岡市議団を代表し、26年度決算に関し、生活保護について、地域コミュニティについて、保育行政について、以上3点について質問する。まず、生活保護について質問する。本市の27年度一般会計予算に占める生活保護費の割合は10%を超えており、生活保護費の増加に伴う財政負担が大きな課題となっている。そこで、本市の生活保護の状況及び課題とその取り組みについて尋ねる。初めに、本市の生活保護世帯数及び人員数の推移について、5年前、10年前と比較して示されたい。また、全国の世帯数と人員数も同様に比較して示されたい。 3 △保健福祉局長 まず、本市における生活保護の世帯数及び人員数は、10年前の16年度は1万7,408世帯で2万5,458人、5年前の21年度は2万3,525世帯で3万2,896人、26年度は3万2,571世帯で4万3,899人である。また、全国では、世帯数、人員数の順で16年度は99万8,887世帯で142万3,388人、21年度が127万4,231世帯で176万3,572人、26年度が161万2,235世帯で216万5,781人である。 4 ◯平畑委員 次に、26年度の生活保護費の決算額並びに5年前、10年前の決算額について尋ねる。また、その4分の1の地方自治体の実負担額も尋ねる。 5 △保健福祉局長 決算額は、10年前の16年度は500億2,765万円余、5年前の21年度は613億9,940万円余、26年度は803億5,024万円余である。自治体の実負担額に当たる4分の1の額は、16年度は約125億円、21年度は約153億円、26年度は約201億円である。 6 ◯平畑委員 10年間で300億円増加しているという状況である。次に、生活保護費の一般会計に占める割合の推移についても同様に尋ねる。 7 △保健福祉局長 10年前の16年度は一般会計7,324億1,823万円余の6.8%、5年前の21年度は一般会計7,414億4,414万円余の8.3%、26年度は一般会計7,710億5,766万円余の10.4%である。 8 ◯平畑委員 生活保護費の一般会計に占める割合が10.4%と、10%を超えることについて、どのように考えているのか。 9 △保健福祉局長 本市の生活保護の状況は、平成20年のリーマンショック以降の経済不況によるその他世帯の急増は近年落ちついてきたものの、高齢社会の進展に伴う高齢者世帯の増加により依然として保護世帯数及び保護費は増加しており、この傾向は今後も引き続き継続するものと見込んでいる。このため、副市長及び関係局区で構成する福岡市生活保護適正実施推進委員会を設置し、生活困窮者への早期支援、困窮からの脱却などの幅広い自立支援の促進及び医療費の適正化や不正受給に関する取り組みなどの生活保護の適正実施、さらに業務執行体制の整備などの生活保護制度を適正に実施するための取り組み方針を策定し、より実効性の高い施策に注力しながら取り組んでいる。 10 ◯平畑委員 3年前に質問した際に、その他世帯、つまり特に就労を阻害する要因のない失業者やホームレスの人たちが含まれる生活保護世帯は23年度の伸び率が著しい状況であったかと思う。そこでまず、その他世帯について、生活保護世帯全体に占める割合がどの程度なのか、23年度と26年度を比較して尋ねる。また、23年度に比べて26年度の世帯数はどのようになっているのか、その他世帯の状況と、高齢化の進展とともに年々増加している高齢者世帯の状況についても同様に示されたい。 11 △保健福祉局長 まず、その他世帯が生活保護世帯数全体に占める割合は23年度が21.8%、26年度が19.7%となっている。次に、世帯数の動向は、23年度は6,430世帯で、前年度比113%、26年度は6,400世帯で前年度比97.5%となっており、現在はほぼ横ばいである。高齢者世帯については、23年度は1万1,458世帯で前年度比105.4%、26年度1万3,962世帯で前年度比106.7%となっており、増加傾向が継続している。
    12 ◯平畑委員 23年度と比べてもやはり6%前後の伸び率となっており、生活保護世帯が減少に転じる見込みは余りないという状況にある。この中で生活保護受給者への就労支援と適正実施の取り組みが大変重要であると考えるが、26年度の就労支援の成果について尋ねる。 13 △保健福祉局長 就労については、生活保護受給者への自立支援を目的に、嘱託員や委託業者を活用し、個人の特性や経験などに応じたきめ細やかな支援を行っている。26年度の就職支援の成果は、就労達成者は合計で1,540人、効果額は約3億3,000万円である。 14 ◯平畑委員 働けるのに就労活動を行わず指導に従わない場合の、保護の停止、廃止の26年度の状況について尋ねる。 15 △保健福祉局長 就労に関する指導の状況は、文書指導が112件、うち保護の廃止となったものが11件、保護の停止となったものが1件である。 16 ◯平畑委員 26年度からは生活保護ホットラインが運用されているが、26年度の通報件数、並びに寄せられた情報の内容について尋ねる。 17 △保健福祉局長 26年度の生活保護ホットラインへの通報件数は全体で746件であり、通報内容は、保護を要する人に関する情報が103件、生活保護に関する不正行為などの情報が342件、生活保護受給中の生活上の義務に関する情報が101件、その他生活保護制度に関する問い合わせ、あるいは意見などが200件となっている。 18 ◯平畑委員 ホットラインの存在を知らない人が多いと思う。どのように市民に広報しているのか。 19 △保健福祉局長 生活保護ホットラインの広報については、開設時に市政だよりに掲載するとともに、その後、市のホームページに情報を掲示している。また、毎年、区役所や出張所、公民館、地下鉄駅などの公共施設にポスターを掲示するなどして周知を図っている。 20 ◯平畑委員 まだまだ知らない人が多く、年に1回は市政だよりに掲載するなど、広報に工夫を要望する。生活保護ホットラインへの通報内容については、どのような対応を行っているのか。 21 △保健福祉局長 保護を要する人に関する情報については、福祉事務所への相談を助言するほか、生命に差し迫った危険がある場合については、ケースワーカーが訪問の上、対応している。生活保護に関する不正行為などの情報への対応については、事実関係を調査し、不正の事実が確認できた場合は保護費の返還などの必要な措置を行い、悪質な場合は法的対応を含めた厳正な対処を行っている。 22 ◯平畑委員 ホットライン設置の効果について尋ねる。 23 △保健福祉局長 保護を要する人に関する情報103件のうち保護開始を確認できた件数は23件である。また、通報を契機に不正が明らかになり、保護費の返還を決定したのは10件で、金額は1,057万円余である。 24 ◯平畑委員 ホットラインは匿名でもちろんよいし、車の番号がわかればそれでもよいし、何か気になる情報があれば連絡いただくということで運用されたい。不正受給の現状について、26年度に、収入などを福祉事務所に届け出ないまま保護費を詐取した件数とその金額を尋ねる。 25 △保健福祉局長 26年度に生活保護法第78条を適用し、不正受給者に費用徴収を求めたものは全体で1,430件、金額は4億2,179万円余である。 26 ◯平畑委員 26年度の徴収金の収入済み額と収入率について、26年度に新たに徴収を求めた現年度分、また、以前から徴収を求めている過年度分とその合計分について尋ねる。 27 △保健福祉局長 26年度の不正受給による徴収金の収入済み額と収入率は、まず、26年度に新たに徴収を求めた現年度分が収入済み額1億8,210万円、収入率54.8%、次に、それ以前からの徴収を求めている過年度分が収入済み額2,514万円、収入率3.6%である。また、その合計分については、収入済み額2億725万円、収入率は19.9%である。 28 ◯平畑委員 過年度分はほとんどが徴収できていないという現状である。それでは、不正受給の内容について、主なものを尋ねる。 29 △保健福祉局長 不正受給の主な内容は、件数の多いものから順に、働いて得た収入の無申告、各種年金収入の無申告、働いて得た収入の過少申告の順である。 30 ◯平畑委員 不正受給を防止するためどのような取り組みを行っているのか。 31 △保健福祉局長 不正受給防止に関しては、まず、生活保護受給世帯には、資産や収入の届け出義務の履行について周知徹底を図るとともに、稼働収入、各種年金、生命保険などについても調査の徹底に努めている。また、26年度は不正受給防止などの生活保護適正化を目的として、生活保護ルールブックという冊子を作成し、生活保護を受給している全ての世帯に配付し、制度の周知をさらに徹底したところである。 32 ◯平畑委員 次に、生活保護の医療費の問題について尋ねる。生活保護費の中では医療扶助の割合が半分程度と思うが、その内訳を尋ねる。 33 △保健福祉局長 26年度における医療扶助は、総額で400億7,034万円余となっており、保護費全体が803億5,024万円であるため、約50%を占めている。その内訳は、入院が226億6,347万円余、入院外が89億8,437万円余、調剤が60億7,837万円余、その他が23億4,411万円余となっている。 34 ◯平畑委員 およそ半分を占めている医療費については、生活保護受給者の自己負担がないため、過剰な医療費の支出につながっていないか懸念される。医療扶助の適正化の取り組みとしてどのようなことを行っているのか。 35 △保健福祉局長 医療扶助の適正化については、保護受給者が同じ診療科を2カ所以上受診する重複診療や、同じ病院を必要以上に受診する頻回受診、向精神薬処方、訪問看護などについて点検を実施、指導対象者に適正受診への是正指導を行っている。また、指定医療機関からのレセプトを確認しその内容を点検、精査し、医療機関にも実態を確認している。さらに、27年度からはジェネリック医薬品の数量シェアが特に低い医療機関へ個別指導及び対象者への服薬指導を行っている。 36 ◯平畑委員 病気のことであるため少し難しいとは思うが、嘱託医と連携を密にし、取り組まれたい。ジェネリック医薬品の使用促進の取り組みについて、使用状況はどのようになっているのか。 37 △保健福祉局長 いわゆるジェネリック医薬品と呼ばれる後発医薬品の使用促進については、平成26年1月1日施行の改正生活保護法において、後発医薬品の原則使用が定められているが、本市では、それに先立つ平成25年11月に、生活保護世帯へ周知用のリーフレット配付を行うなどの取り組みを進めてきた。使用率は、直近の平成27年6月が57.9%で、その1年前の平成26年6月が53.3%と1年間で4.6ポイント伸びており、さらに使用率を高める取り組みを進めていく。 38 ◯平畑委員 使用率は伸びているという答弁である。ことしの6月はもちろん数量では伸びているが、金額ベースにすると、後発医薬品は14%しかなく、その使用割合は5.5%にすぎない。さらなる利用率向上に努められたい。真に困窮する市民の生活を守るため、生活保護制度が最後のセーフティネットとして機能を十分果たすことができるよう、制度を支える市民の信頼を得られるようにしなければならないと思うが、市長の決意を尋ねて、この質問を終わる。 39 △市長 全ての市民が安心して生活することができる社会の構築にとって、生活保護の制度は最後のセーフティネットであり、大変重要な制度である。この生活保護制度が有効に機能していくためには、制度に対する市民の理解と信頼が不可欠であり、生活保護の適正実施が重要であると考えている。このため、本市では、個々の状況に応じたきめ細やかな就労支援を初めとした自立支援プログラムを実施するとともに、制度をわかりやすく説明した生活保護ルールブックの配付、そして、ギャンブルの依存症などからの脱却を目指す生活再建支援プログラム推進、さらには生活保護のさまざまな情報を受け付ける生活保護ホットラインの運用を行うなど不正受給の防止に努め、真に生活に困窮している人に必要な保護を実施している。今後とも市民の信頼と理解が得られるように、本当に必要な人が受けられる生活保護の実施に努めていく。 40 ◯平畑委員 次に、地域コミュニティについて質問する。まず、16年度から実施されている活力あるまちづくり支援事業補助金について、人口規模に応じた基準とそれぞれの区分の校区数、決算額について尋ねる。 41 △市民局長 活力あるまちづくり支援事業補助金の26年度決算額は4億7,042万円余である。校区人口区分に応じた補助金限度額とそれぞれの区分ごとの校区数及び26年度決算額は、人口2,000人までの校区における補助金限度額は230万円、該当校区は6校区で、決算額は1,300万円余である。以下同様に人口2,001人から5,000人までが270万円で、14校区、3,710万円、人口5,001人から1万人までが310万円で、56校区、1億7,352万円、人口1万1人から1万5,000人までが340万円で、53校区、1億8,020万円、人口1万5,000人以上が370万円で、18校区、6,660万円である。 42 ◯平畑委員 この補助金の実績確認は各区の校区担当職員により行われていると思うが、どのような状況なのか。 43 △市民局長 活力あるまちづくり支援事業補助金の実績確認は、区役所地域支援課校区担当職員事業実績報告書収支決算書、金銭出納簿、領収書などにより確認を行っている。また、適宜、領収書の適切な管理や補助対象経費の整理の仕方などについて助言等をしている。 44 ◯平畑委員 補助金については、地域活動の事業スタッフへの交通費はよいが謝礼は不可、食料費は1,500円を超えると補助金は使えないなど、事細かに制限が設けられているようだが、もっと地域を信頼し、事細かな制限はしなくてよいと思うが、所見を尋ねる。 45 △市民局長 補助金については、地域の負担軽減などの観点も踏まえ、地域活動の実態も考慮した運用面での見直しについて検討していきたい。 46 ◯平畑委員 各区地域支援課校区担当係長は1人が4校区から5校区を担当していると聞いているが、係長の仕事内容を尋ねる。 47 △市民局長 区役所地域支援課校区担当係長は、地域課題の把握に努めながら、自治協議会や自治会、町内会からの相談対応を初め、公民館の運営やその事業推進に係る助言や調整などを行っている。また、担当校区の会議や行事に積極的に参加し、地域の実情や特性に応じたまちづくりの支援などを行っている。 48 ◯平畑委員 校区担当係長は、何でもわかっていると思われ、いろいろな質問やお尋ねが来て大変だと思う。レスポンスよく対応できればよいが、大変難しい仕事であると思う。1人で4校区から5校区を担当し、積極的に地域活動に参加し、地域の相談を受けている担当係長が、平均3年で教育委員会や保健福祉局など全く別の部署に異動してしまう。総務企画局長にもよく聞いておいてもらいたいが、地域で学んだことを別の部署で生かすのもよいが、できれば、全員でなくてよいので、他区の地域支援課への異動により、例えば早良区で学んだノウハウを、東区で別の地域に伝えていくようにしてはどうか。我々は地域活動をしていても、実はなかなか隣の校区のこともよくわからない。そうしたことを具体的に学び、実体験で知っているのが校区担当係長である。今まで1人を除き全員が別の部署に異動していると聞いたが、それではもったいないので、異動はぜひ工夫されたい。次に、自治協議会の会長や男女共同参画の会長などの地域の役員は大変忙しいと聞くが、活動日数を尋ねる。 49 △市民局長 26年度に実施した自治協議会等アンケート調査の結果では、自治協議会の会長の活動日数は1カ月当たり平均17.5日、自治会、町内会の会長は平均10.8日となっている。 50 ◯平畑委員 自治協議会において担い手不足、後継者不足が一番の課題であると聞いている。市としてはこの課題についてどのように考えているのか。 51 △市民局長 共働のまちづくりを推進する上で、自治協議会や自治会、町内会における活動の担い手や後継者の不足は非常に重要な課題であると認識している。地域のまち・絆づくり検討委員会の提言においても、担い手づくりの取り組みとして、地域役員の負担を軽減するとともに、人材の発掘・育成、企業やNPOなどさまざまな主体の参画を図ることなどが示されている。この提言を踏まえ、地域の負担軽減として、行政からの依頼事項のさらなる見直しや、地域活動への参加を促進するインセンティブなどについて検討するとともに、地域と企業や商店街などとの共働についても取り組んでいきたい。 52 ◯平畑委員 基本スタンスは、地域のことは地域に任せるということである。行政の考えを一方的に押しつけないようにされたい。次に、公民館について尋ねる。最近、ある公民館でエアコンが壊れたため、区に修繕を依頼したら10万円かかったと聞いた。地域活動をしているメンバーの中にはエアコンを安価で修理できる人がいるはずであるし、買いかえて最新のエアコンを設置するほうが電気代は安いかもしれない。例えば網戸の修繕など、10万円を下回るような簡易な修理については公民館に任せることはできないのか。 53 △市民局長 公民館の空調修繕を含む市有建築物の修繕については、福岡市施設整備公社が専門的技術を有する事業者を選定し実施しているが、網戸張りかえなどの簡易な修繕については、例えば公民館が材料を準備し、地域の人が修繕するなど、地域の協力を得ながら実施する方策について検討していく。 54 ◯平畑委員 質問の趣旨は、施設整備公社に全部委託せずにできないかということである。安価なものは公民館長の裁量に任せてはどうか。また、例えば10万円を超え50万円以下のものは、各公民館の運営懇話会に決裁も取るようにしたり、見積もりを複数用意するなどの制限を加えたりすれば、館長や主事の一存では実施できないため、ぜひ検討されたい。次に、公民館の休館日について尋ねる。 55 △市民局長 公民館の休館日は、福岡市公民館条例により、年末年始の12月29日から翌年1月3日までとなっている。このほか、ゴールデンウイーク期間の5月3日から5日まで、及びお盆の8月13日から15日までの期間において利用申し込みがない場合は、臨時休館ができることとしている。 56 ◯平畑委員 5月3日から5日までのゴールデンウイークと8月13日から15日までのお盆の臨時休館の直近の状況について尋ねる。 57 △市民局長 平成27年の臨時休館の実施状況は、5月3日から5日まで3日間とも休館した公民館は109館、2日間休館した公民館は23館、1日のみ休館した公民館は9館、休館しなかった公民館は5館である。次に、8月13日から15日で3日間とも休館した公民館は129館、2日間休館した公民館は15館、1日のみ休館した公民館は1館、休館しなかった公民館は1館である。 58 ◯平畑委員 5月3日から5日まで休んだ公民館が75%、1日だけあけたのが23館であるため、1日だけあけた、もしくは3日間全部休んだ公民館が91%である。また、お盆は88%が3日間休み、1日だけあけたのが10%のため、98%が全休か1日休みという状況である。お盆に1日だけ開館した15館の開館時間の状況について尋ねる。 59 △市民局長 平成27年8月13日から15日までの期間において2日間休館し、1日のみ開館した公民館15館の開館時間の状況は、開館時間3時間未満が3館、3時間以上6時間未満が3館、6時間以上9時間未満が4館、9時間以上が5館である。 60 ◯平畑委員 ことしのお盆に1日だけ開館したのはほとんどが15日であり、精霊流しなどの行事のようである。それを除くと8月13日から15日の期間はほとんどの公民館で臨時休館しているようである。条例で正式な休館日としなければ、公民館職員は予定も組めない。条例で正式な休館日として規定してはどうか。また、5月3日から5日までの期間については臨時休館の状況が少し違うが、暦によっては前後の5月2日や6日なども休日となる場合がある。そこで、例えばどんたくなどで開館した場合は、それ以外の日にも臨時休館できるよう柔軟に対応すべきと考えるが、所見を尋ねる。 61 △市民局長 公民館の休館日のあり方については、公民館や地域の実情に応じ、利用状況も十分に考慮しながらしっかりと検討していく。 62 ◯平畑委員 現在、公民館は生涯学習の場であると同時に、地域コミュニティの中心となっている。いつも人がいて、地域の情報の中心としてその重要性は増すばかりである。だからこそお盆やゴールデンウイークは休館日にし、逆に公民館運営懇話会で開館日も決定する方法もあると思うので、地域をもっと信頼し任せるよう要望し、この質問を終わる。次に、保育行政について質問する。まず、保育料について尋ねる。26年度の保育料の滞納額と人数、また滞納繰越分は幾らになるのか。 63 △こども未来局長 26年度の現年度の滞納額は1億161万円余、人数は960人となっている。滞納繰越分は4億8,396万円余で、滞納額の合計は5億8,557万円余となっている。 64 ◯平畑委員 保育料は収入によって決定しているため、保育料の滞納は所得階層A、B、つまり生活保護世帯並びに非課税世帯には発生しない。支払えるが支払わない人がいるためこの金額になっている。小学校に上がると給食費の滞納の問題が出てくるが、教育委員会と連携はとれているのか。 65 △こども未来局長 保育料の滞納は個人情報となるため、他の所管部署への情報提供などの連携は行っていないが、滞納が発生した場合には、文書や電話による催告など重ねての納付指導を行うとともに、再三の催告にも応じない場合は差し押さえの処分等を行っている。 66 ◯平畑委員 滞納するかどうかもわからないため連携するわけにいかないのはわかるが、少し工夫できないかと思う。次に、滞納繰越分の収納金額や収納率を尋ねる。 67 △こども未来局長 26年度における滞納繰越分の収納額は6,647万円余で、収納率は11.39%となっている。 68 ◯平畑委員 保育料の中に給食費も含まれているが、昼食もおやつも夕食も所得階層A、Bであれば無料である。食事代金は、本来、どの家庭からも公平に徴収してもよいのではと思う。延長保育にしても無料で1カ月間食事ができるのはどうなのか。そのため自分も支払わないと考えている人も出てきているのかもしれない。次に、過去5年と10年前の待機児童数を尋ねる。 69 △こども未来局長 保育所の待機児童数は、各年度4月1日現在で、10年前の17年度が432人、過去5年では、23年度が727人、24年度が893人、25年度が695人、26年度がゼロ、27年度が61人となっている。 70 ◯平畑委員 26年度は高島市長がゼロを目指すということで、行政も各保育園も一生懸命頑張り目標達成できたということである。ことしの4月1日は61人であるが、直近の状況を尋ねる。 71 △こども未来局長 平成27年8月1日現在で183人となっている。 72 ◯平畑委員 いろいろな手法で待機児童を減少させてきたが、過去5年間の新築・増改築の件数、人数、決算額を尋ねる。 73 △こども未来局長 保育所の新築・増改築は、22年度は12件530人分の新築及び増改築を実施し、決算額は10億6,100万円余である。以下同様に、23年度は15件850人分で13億8,800万円余、24年度は22件1,200人分で27億6,800万円余、25年度は32件1,510人分で52億2,800万円余、26年度は21件935人分で45億8,800万円余である。 74 ◯平畑委員 家庭的保育事業や小規模保育事業も保育園が頑張って実施しており、同時に、幼稚園も一生懸命頑張ってくれたが、幼稚園の長時間預かりについて、概要と実施園数、利用人数と決算額を尋ねる。 75 △こども未来局長 幼稚園長時間預かり保育事業は、保育が必要な1、2歳児を対象に、認可保育所と同様に長時間の保育を提供する幼稚園に対し運営費等の助成を行うものであり、国の待機児解消加速化プランの補助メニューを活用して、26年度より事業を開始している。26年度における実施園数は19園であり、利用児童数は204人、決算額は1億7,362万4,000円である。 76 ◯平畑委員 待機児童ゼロに向けて行政も一生懸命頑張っているのを見て、幼稚園連盟からも1、2歳児の預かりが可能との申し出があり、開始した事業である。運営費は利用児童1人に対して支出されるのか、また金額は幾らか。 77 △こども未来局長 幼稚園長時間預かり保育事業を実施する園に対しては、利用児童1人当たり月額5万7,000円の補助金を交付している。また、各幼稚園においては5万5,000円を限度として保育料を設定し、保護者の所得に応じて減免することとしており、その減免による差額分についても別途、助成している。 78 ◯平畑委員 平成26年4月1日の時点での利用者人数を尋ねる。 79 △こども未来局長 平成26年4月1日現在の利用児童数は81人である。 80 ◯平畑委員 幼稚園の長時間預かりの最大定員は233人であるが、4月1日で81人しか申し込みがなかったものである。保育士1人に対し、1歳児が6人いないと収支が合わないと思うが、各幼稚園の実態はどうだったのか尋ねる。 81 △こども未来局長 保育ニーズの高い地域にある幼稚園と保育ニーズの高くない幼稚園とでは利用児童数には差が生じているが、収支報告書においては各園において収支の均衡が図られている状況である。 82 ◯平畑委員 幼稚園が収支差額を負担してくれているので赤字ではないということである。利用児童数に対して運営費を払うがなかなか定員に満たない。もちろん最大で去年204人ぐらいまではふえたが、まだまだ広報、PRが4月の時点で足りなかったため、定員にならなかったということである。しかし、幼稚園の先生は4月1日から雇用しておかなければならない。ことし27年度は持ち上がりの2歳児のみということになるが、実施園と利用児童数を尋ねる。 83 △こども未来局長 27年度は、実施園数は7園であり、8月1日現在の利用児童数は51人である。 84 ◯平畑委員 ことしは最大定員が77人だが、現在は51人しか利用していない。もちろん幼稚園も土曜日も開所し、給食の提供も行っている。幼稚園に対する感謝は忘れないでいただきたい。次に、公立保育所の保育士の勤続年数及び平均年齢、平均年収、退職金を尋ねる。 85 △総務企画局長 平成27年4月時点における福岡市立保育所の保育士の平均勤続年数は約20年、平均年齢は約42歳である。また、26年度における保育士の平均給与年額は約564万円、過去5年間における保育士の退職手当の平均支給額は約1,991万円である。 86 △こども未来局長 平成26年4月現在の私立保育所の保育士の平均勤続年数は6.2年、平均年齢は31.1歳、平均給与年額は約365万円である。退職金は、事務上の必要性がなく、データを収集していない。 87 ◯平畑委員 公立と民間園の正規保育士数、非正規保育士数を尋ねる。さらに正規、常勤保育士1人当たりの児童数も尋ねる。 88 △こども未来局長 公立保育所の保育士数は、正規職員は平成26年5月1日現在で164人、臨時的任用職員は平成26年4月1日現在で198人、正規職員及びいわゆる常勤保育士1人当たりの児童数は6.3人である。また、私立保育所の保育士数は、平成26年4月1日現在で正規職員2,731人、非正規職員は2,130人で、正規職員及び常勤保育士1人当たりの児童数は7.7人である。 89 ◯平畑委員 民間園は正規と常勤保育士を合計して7.7人ということだが、正規だけで計算すると11.2人になる。いただいた資料によると、公立では10日任用が174人と圧倒的に多いのが特徴と思う。つまり正規が担任を持ち、非正規が補助している理想の形と考えられる。次に、公立と私立の保育所の正規職員と臨時職員の有給休暇の取得状況について尋ねる。 90 △こども未来局長 年次有給休暇の取得状況は、公立保育所では26年度の統計となるが、正規職員は9.4日、臨時的任用職員は8.6日である。また、私立保育所は、26年度の実地監査の対象保育所における取得状況であるが、正規職員は7.8日である。なお、臨時職員は調査対象外であり、データを収集していない。 91 ◯平畑委員 民間保育園に尋ねたところ、臨時職員、つまり常勤の1年雇用の保育士は有休をとりやすくしているようであるが、それは処遇面において補填する意味で優先しているという実情がある。保育士不足がここ数年続いているため、正規職員にしわ寄せが来ていることが考えられる状況である。今月25日に国際会議場で保育協会主催の就職フェアがあるが、なかなか保育士志望者がいない。保護者対応の問題もあり、また、土曜日等の勤務もあるため休みがとりにくいという現状もあり、保育士のなり手がいないことが大変心配である。保育士の職場環境をよくするためにということで最後に尋ねていくが、政令指定都市の中で1歳児の配置基準が1対5になっている都市があれば、都市名を示されたい。 92 △こども未来局長 私立保育所において1歳児の保育士の配置基準を1対5以下にしている政令指定都市は、20都市中、千葉、横浜、新潟、京都、堺、北九州の6市である。 93 ◯平畑委員 今、保育士の処遇改善について、保育協会とこども未来局の間で第三者委員会を開くまでの事態になっている。もちろん直接の処遇改善は本当に大事なことで、しっかりとした配慮については重ねて要望しておくが、それと同様に、働きやすい環境づくりが大変大事であると考えている。保育士の配置は現状、ゼロ歳児が1対3、1、2歳児が1対6、3歳児がことしから1対15、4、5歳児が1対30となっているが、1、2歳児を1対5とすればかなり改善されると思う。まずは段階的に改善することとし、特に要望の強い1歳児の配置を1対5に改善するよう要望し、質問を終わる。 94 ◯山口委員 区役所における維持管理経費の確保について尋ねていく。まず、26年度決算において、一般会計における消費的経費の決算額及びその主な内訳はどのようになっているのか。また、25年度の一般会計における消費的経費の決算額と比較してどのように増減しているのか。 95 △財政局長 一般会計における消費的経費の26年度決算見込み額は約4,121億円となっており、その主な内訳は、生活保護費や社会福祉費等の扶助費が約1,942億円、小中学校管理費等の物件費が約805億円、人件費が約769億円などとなっている。また、一般会計における消費的経費の26年度決算見込み額は、25年度決算額と比較して約183億円の増額となっている。 96 ◯山口委員 消費的経費については、前年度と比較して増額とのことであるが、26年度予算編成で他の部局は財政局から一律にマイナスシーリングを要求されていると思っているが、実際はどうなのか。26年度の本市の予算編成の仕組みはどのようになっていたのか説明を求める。 97 △財政局長 市民ニーズを的確に把握し、新たな課題に効果的、効率的に対応していくため、より現場に近い局区の権限と責任において、みずからの意思判断に基づく自律的、能動的な経営資源の活用が求められることから、26年度当初予算編成に当たっては、各局区において自律的にビルド・アンド・スクラップに努め、優先順位の最適化を図りながら、要求上限の範囲内で予算見積もりを行うこととしたものである。 98 ◯山口委員 認識が他の部局とは違うようである。各局区の自律経営とのことであるが、本市が抱える資産を有効に活用し、市民にしっかりと還元していくためには、アセットマネジメントによる長寿命化の視点や適切な維持補修が欠かせないと思う。そのような中、維持管理経費も含めて、必要な財源の確保は可能なのか。財政局の見解を伺う。 99 △財政局長 本市の財政については、依然として楽観できる状況にはないことから、限られた財源を効果的に活用できるよう、より現場に近い局区の権限と責任において、自律的、能動的な経営資源の活用が図られるよう、局区への適切な財源配分に取り組んでいる。また、必要な施策、事業に要する財源を確保するため、費用対効果や優先順位を厳しく吟味し、施策、事業の見直しを図るとともに、事業手法、事業内容や執行方法の工夫などによる行政コストの縮減や行政運営の効率化に向けた不断の見直しに取り組んできている。 100 ◯山口委員 財政局は適切に財源配分に取り組んでいるとのことだが、これより現場を抱える、市民要望と直結した事業局に聞いていく。区役所における維持管理経費の26年度決算額と22年度決算額との比較では幾らの増減があるのか。道路、河川、下水道の決算について示されたい。また、区役所からの予算要求額がどの程度の割合で予算化されたか、あわせて尋ねる。 101 △道路下水道局長 区役所における維持管理経費の26年度及び22年度決算額については、道路について、26年度が約11億5,900万円、22年度が約12億9,900万円で、差し引き約1億4,000万円の減。河川については、26年度が約1億6,000万円、22年度が約1億7,900万円で、差し引き1,900万円の減。下水道については、26年度が約9億6,300万円、22年度が約8億9,800万円で、差し引き約6,500万円の増となっている。次に、26年度における区役所からの維持管理経費の予算要求額については、道路に関する予算要求額は約12億5,600万円であり、当初予算額は要求額の約97%となっている。河川に関する予算要求額は約2億300万円であり、当初予算額は要求額の約75%となっている。下水道に関する予算要求額は約9億2,900万円であり、ほぼ同額を予算化している。 102 ◯山口委員 区役所における事業費の推移は今聞いたとおりだが、都市インフラ施設の老朽化や市民ニーズの高まり、高齢社会を迎えている現状を考えると、市民からの要望はふえてきているのではないかと想像する。道路の要望件数について、22年度と26年度の比較はどうか。また、どのような要望内容があるのか。 103 △道路下水道局長 道路の維持管理に関する市民からの各区への要望件数の比較については、22年度7,456件、26年度7,966件で510件の増となっている。また、要望の主な内容としては、道路のわだちやくぼみの補修、側溝ぶたの割れやがたつきの補修、カーブミラーやガードレールなどの交通安全施設の補修などである。 104 ◯山口委員 道路の管理延長は伸びているにもかかわらず、予算は減少している。各区役所の事業費ベースでは削減されているが、市民要望への対応についてはどのような努力を行っているのか。 105 △道路下水道局長 市民要望への対応については、管理施設が増加するとともに施設の老朽化も年々進み、市民からの要望が増加する中、限られた予算を効果的に活用できるよう、各区において、危険性や緊急性の高い箇所から優先的に対応している。具体的には、道路の破損など、市民生活の安全安心に影響があり、早急な対応が必要な箇所については、職員や委託業者で応急措置を行っている。また、大規模な補修が必要な箇所については、暫定的に応急措置や安全対策を施した上で機能を保持し、予算の確保ができ次第、本格的な補修工事を行っている。なお、道路照明灯を企業などと共同で管理する灯りのパートナー制度を推進するなど、歳入確保にも努めている。 106 ◯山口委員 次に、住宅都市局に尋ねる。区役所における公園の維持管理経費について、26年度決算額と22年度決算額との比較では幾らの増減があるのか。 107 △住宅都市局長 区役所が所管している公園の維持管理経費の決算額については、26年度決算額は約10億9,500万円、22年度決算額は約9億7,800万円となっており、22年度決算額に対し、約1億1,700万円の増額となっている。 108 ◯山口委員 増額との答弁であるが、公園の除草などの維持管理経費について、樹木管理が十分にできていない状況である。どのように予算編成したのか。また、区役所からの予算要求額がどの程度の割合で予算化されたのか、あわせて尋ねる。 109 △住宅都市局長 公園の維持管理経費の予算については、公園の管理面積がふえたことや人件費が上昇したことなどを加味し、樹木管理経費や施設管理経費等を積み上げて予算編成を行っている。予算の執行については、遊具など施設の点検、修繕など、安全管理に必要な優先度の高いものや、光熱水費などの固定的にかかる経費が必要となる中、除草などの管理頻度を保つために、固定的な経費を削減する努力をしているが、管理頻度の維持が困難になってきている状況である。26年度の区役所からの予算要求額は13億3,900万円であり、当初予算額は要求額の約81%となっている。 110 ◯山口委員 確かに遊具の修繕は必要であり、危険な公園にしてはいけないが、本年度、夏休みを過ぎて一度も草刈りしていない公園がある状況をどう思うのか。8月26日、教育委員会の行事で訪れた南市民センターの横にある南区の塩原中央公園は雑草が生い茂っていた。福岡の玄関である県庁の真横にある博多区の千代東公園もフェンスを越えて雑草が茂っていた。雑草が生い茂っている公園はほかにもたくさんあるが、市民の憩いの場であり、子どもたちの遊び場である公園が、こんな状況では話にならない。草が伸びることで環境が悪くなり、また、見通しが悪くなることで防犯上も問題があるのではないか。公園の草刈りは毎年必要な作業であり、1年置きとはできない。だからこそ予算が必要なのである。市民から、自分たちの税金を地域の安全のためにしっかり費用をつけて作業してほしいと言われ続けている。予算に限りがあるのは理解できるが、このような状況を踏まえ、柔軟な対応ができるような工夫ができないのか、所見を伺う。
    111 △住宅都市局長 公園を安心して利用していただくためには、遊具など公園施設の安全確保を初め、除草や剪定などを適切な時期に行うことが必要だと考えている。公園の維持管理については、危険性や緊急性の観点から優先順位をつけて対応することや、簡易な作業は必要性に応じて区役所の職員がみずから行うなどの対応をしている。また、市民との共働の視点から、公園の管理や運営を地域がみずから行えるような取り組みを推進するとともに、公園駐車場の有料化や民間活力の導入などの歳入確保の取り組みを進めていく。 112 ◯山口委員 ヤギの放し飼いの話を紹介する。ここ数年、横浜市や北九州市の事業者が、レンタルリースで1頭当たり1万5,000円で貸しているそうである。ヤギは雑草のえり好みも少なく、1日3.5キログラムの草を食べるそうである。除草には適した動物であるとの学者の指摘もある。現在の出動場所は国立病院やUR、大学などの草刈りで、何十匹も活躍している。これからは事業者の知恵も活用し、安価な除草もぜひ検討してほしい。各区役所からの予算要求は、まず事業局に上がり、査定され、今度は財政局との協議で減額されているのが現状である。区役所の地域整備部は、地元の町内会長など直接、市民と接していて、これまで毎年行われていた公園の除草や水路の清掃、そして傷みが激しい道路舗装の打ちかえなどが区役所へ要望されても、予算がないからできない、来年度になりますなどと対応し、やかましく怒られている光景を見た議員は私だけではないと思う。区役所の職員は本当にかわいそうである。これから次期予算編成が始まるが、市民が生き生きと生活できる場づくりは行政の責務であり、このような予算減額で対応していることがあってはならないと考える。住みやすさ上位にランクしている本市として、道路や公園の維持管理など、市民に身近な区役所事業への予算配分を強化すべきだと思うが、貞刈副市長の所見を伺う。 113 △貞刈副市長 本市の財政については、社会保障関係費が引き続き増加するなど、依然として楽観できる状況にはないが、市民生活に必要な行政サービスを確保しつつ、重要施策の推進や新たな課題に対応するために必要な財源を確保すべく、歳入の積極的な確保や経常的な経費の見直しに取り組んでいるところである。このような状況の中、道路や公園等の維持管理などの区関連事業に係る予算の編成に当たっては、市民生活の総合的な窓口として市民、地域に密接に関連する業務を行う各区の意見も踏まえ、その反映に取り組むこととしてきたところである。今後とも限られた財源の効果的な活用を図るため、局区の予算執行の実情に応じた財源配分に取り組み、局区の権限と責任において適切な施策、事業の執行が図られるよう、さらに努めていく。 114 ◯山口委員 副市長から、各区の意見を踏まえ、施策を実行していくとの答弁があったが、26年度決算の不用額が一般会計で244億円もあり、多過ぎと思う。仮に予算流用で区役所の地域整備部に1,000万円ずつでも上乗せできたら、結構な事業が可能である。財政局は要求上限の範囲などとかたくなな姿勢をとり続けるのではなく、柔軟に次期予算編成から区役所予算に反映させるべきだと強く意見を述べておく。次に、入学準備金と高校入学資金について伺う。まず、就学援助の入学準備金について、教育委員会が政令指定都市初の前倒しを26年度に決断し、実施していることに、大変多くの家庭から喜びの声が届いており感謝する。そこで、早期に就学援助を申し込み、認定された人数を小中学生別に尋ねる。 115 △教育長 平成27年1月に就学援助の申請を受け、認定を行い、小中学校入学前の3月に入学準備金を支給した人数については、小学校入学予定者が1,407人、中学校入学予定者が1,733人の計3,140人である。 116 ◯山口委員 これだけ多くの3,000人を超える児童生徒の保護者の方々が、必要な時期に支給されて大変喜んでいる。次に、支給された後、本市の学校に入学する前に転出した人数は何人だったのか。 117 △教育長 入学準備金を受給した後、小中学校に入学する前に市外に転出した人数については、小学校入学予定者1人、中学校入学予定者2人の計3人である。 118 ◯山口委員 転出したので本市に返金しなければならないが、返金した人数とその割合を尋ねる。 119 △教育長 入学前に市外に転出した3人については、既に全員から入学準備金の返納を受けており、その割合は100%である。 120 ◯山口委員 全て処理されており安心した。高校の入学に際しても入学準備金のような制度が本市にあると聞いているが、その概要を尋ねる。 121 △教育長 高等学校等の入学費用を支援する制度であるが、公益財団法人福岡市教育振興会の奨学金において、入学資金の貸与を行っている。貸与額は公立高校5万円、私立高校10万円で、入学後に入学先を確認の上、4月末に貸与している。 122 ◯山口委員 26年度は何人に奨学金を貸与したのか。公立、私立別に、総額もあわせて尋ねる。 123 △教育長 26年度の福岡市教育振興会奨学金の公立、私立別の貸与人数と貸与総額であるが、公立は1,121人で2億4,584万8,000円、私立は1,335人で5億987万円である。 124 ◯山口委員 2,456人と大変多くの人が利用している。次に、26年度は入学資金を何人に貸与し、その総額は幾らか、公立進学者、私立進学者別に尋ねる。また、その合計人数は市内中学校の卒業生に対して何%になるのか。 125 △教育長 26年度の入学資金の公立、私立別の貸与人数と貸与総額であるが、公立は367人で1,835万円、私立は470人で4,700万円である。また、その合計人数は837人で、25年度末の市内中学校の卒業生総数1万3,352人の約6.3%である。 126 ◯山口委員 6.3%に上るということは、市民から期待されている制度であると思う。入学資金についても、制度の名称である福岡市教育振興会奨学金の入学資金にあるとおり、4月の入学式前に貸与することが望ましいと考えるが、所見を伺う。 127 △教育長 入学資金の貸与時期については、教材費や制服代など、高校入学に係る資金需要が主に入学式前に発生することから、議員指摘のとおり、入学式前など時期を前倒しして貸与することが望ましいと考えている。 128 ◯山口委員 支給する時期が変わるだけで対象の各家庭は格段に進学の準備がよくなる。学びたい生徒、学生に対し最大の応援を本市は担ってほしい。保護者の所得に関係なく、次の時代を担う子どもたちには大いに学んでもらいたい。入学準備金のときは実現までに、私の調査開始から2年経過、本会議での質問から約1年かかり、今回、即、手を打つと教育委員会の評価は上がる。教育委員会も前倒しが望ましいと考えており、奨学金の入学資金も手続を前倒しして、入学式前、または4月の早い時期に貸与することができないか。 129 △教育長 入学資金については、公立と私立で貸与額が異なることから、高校入学後に入学先を確認した上で4月末に貸与している。貸与時期の前倒しに当たっては、入学先の確認方法を検討するとともに、手続全般の変更、システムの改修、事務量の増加に対応するための体制の整備、さらに前倒しに必要な財源の確保などの諸課題がある。そういったさまざまな課題を一つ一つクリアできるよう、これまで十分に検討を重ねてきた結果、おおむね対応できる見通しが立ったところである。各家庭の資金需要に配慮し、高校入学のための準備が円滑に進められるよう、早急に貸与時期の前倒しを実現したいと考えている。 130 ◯山口委員 大いに期待している。よろしくお願いする。次に、高齢社会の課題と本市の施策について尋ねる。国は、高齢者が住みなれた地域で安心して生活を続けることができる地域包括ケアシステムを、団塊の世代が75歳以上となる2025年、平成37年をめどに各地域で定着させていく方針である。医療や介護、生活支援などさまざまな視点からの取り組みが必要であるが、残された時間は10年である。そこで、本市の準備、対策が予定どおり進められているのか質問していく。まず、26年度の取り組みと成果を尋ねる。 131 △保健福祉局長 地域包括ケア実現に向け、26年度においては、それまで関係団体等と行ってきた検討の中で出された課題に対し、医療と介護の専門職の連携強化を図る医療介護の連携強化と、地域で高齢者を支える仕組みづくりを進める高齢者地域支援の二つのモデル事業を区保健福祉センターが中心となって実施してきた。また、地域包括ケアの2025年の目指す姿や、27年度から3年間の関係団体、行政による具体的な取り組みなどを整理した地域包括ケアアクションプランを作成した。成果としては、モデル事業により医療、介護分野の専門職の連携強化や高齢者を支える地域づくりの取り組みを全ての区で開始したこと、アクションプラン作成により関係団体等と地域包括ケアの目指す姿や取り組みの方向性の共有ができたことも大きいと考えている。 132 ◯山口委員 地域包括ケアの実現に向け、住宅の問題を取り上げる。平成27年の全国の65歳以上の高齢者の人数は、全人口比で26%を超えており、10年後には約300万人ふえる。また、本年9月、全国で80歳以上が1,000万人を突破し、着実に増加している。本市の10年後の場合、75歳以上の人数は8万3,000人増加する。伸びが一番大きな人口区分であるが、高齢者の在宅で生活する人数と施設で生活する人数、割合はどのように考えているのであろうか。まず、現在の状況について伺う。高齢者が安心して生活できる住宅としてサービス付き高齢者向け住宅があるが、その全体整備目標と26年度の整備数、あわせて全体整備目標に対する進捗状況を尋ねる。 133 △住宅都市局長 サービス付き高齢者向け住宅の整備目標については、高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づき、平成25年1月に策定した福岡市高齢者居住安定確保計画において、有料老人ホームを含めたサービス付き高齢者向け住宅等の29年度末時点の供給目標値を約6,100戸と定めている。また、26年度の整備については、有料老人ホームを939人分、サービス付き高齢者向け住宅を713戸、合計1,652戸を供給している。26年度末時点におけるサービス付き高齢者向け住宅等の供給量は7,769戸となっており、既に29年度末時点の供給目標値を上回っているため、現在、策定を進めている福岡市住生活基本計画において、28年度末までに新たな目標値を定める予定としている。 134 ◯山口委員 保健福祉局所管で26年度において、介護保険制度での施設整備数は何人分だったのか。 135 △保健福祉局長 介護保険制度での施設整備数であるが、26年度中に特別養護老人ホームを329人分、認知症対応型共同生活介護、いわゆる高齢者グループホームを90人分整備し、26年度末までの合計で特別養護老人ホームは5,126人分、高齢者グループホームは1,777人分となっている。 136 ◯山口委員 二つの局を合計すると、制度の違いはあれ、26年度末で何らかのサービスが附帯した施設で暮らす高齢者は約1万9,000人になる。施設入居できる高齢者の割合は高齢者全体の約6%であり、残りの人は大半が自宅で暮らすことになる。単身または夫婦ともに高齢者の世帯が、施設に移り住むと空き家が増加することになるが、何か対策を考えているのか。 137 △住宅都市局長 空き家対策については、市民に対し、空き家の適正管理に関する周知、啓発を行うとともに、市民から空き家の管理や活用についての相談があった場合は、住宅に関する市民の相談窓口として、市役所本庁舎内に設置している住宅相談コーナーにおいて、宅地建物取引主任者やファイナンシャルプランナーなどの専門家による特別相談や、住宅の管理代行を行っている団体の紹介等を行っている。 138 ◯山口委員 空き家対策はとても大事である。民間でカフェにするなど、いろいろな形態が各自治体で見受けられる。今後とも周知に力を入れてほしい。そして、昨今、国において、利用を促進する目的に、リバースモーゲージ制度が見直されようとしている。この制度は、土地や家屋を所有していても年金や預貯金が少ないことで生活に不安を感じている高齢者のために、現在住んでいる土地と建物を担保に生活資金を低金利で貸し付けることにより、自立した在宅生活を支援するもので、もし死亡等があった場合には、自宅を売却して精算する制度である。これまで他の地方自治体で導入した実績があるが、本市の状況はどうなのか。また、本制度の市民への周知についてはどうなのか。 139 △保健福祉局長 リバースモーゲージ制度については、本市では福岡県社会福祉協議会において、低所得の高齢者世帯に対し、不動産担保型生活資金、いわゆるリバースモーゲージを活用した生活資金の貸し付けを実施している。福岡市社会福祉協議会を窓口として現在、申し込みを受け付けている。また、市民に対する制度の周知については、制度案内のチラシを情報プラザや各区役所で配布しているほか、市や社会福祉協議会のホームページでの広報を行っている。 140 ◯山口委員 リバースモーゲージ制度は、年間、五、六件と伺っており、もっと制度を知らせる必要がある。整備された住宅に住める人はいいが、希望者全員が入居できるわけではないため、各地域において今の住まいで、より長く見守りも含めサポートしていく体制が必要になる。そこで、相談体制について尋ねる。高齢者の地域における身近な相談窓口として、おおむね中学校区単位で開設されている、いきいきセンターふくおかについて、ここ3年間の相談件数の推移、相談の対象となった高齢者及び相談者の傾向はどうか。 141 △保健福祉局長 いきいきセンターにおける過去3年間の延べ相談件数は、24年度12万1,020件、25年度12万1,966件、26年度11万9,526件である。また、相談の対象となった高齢者の実数は、24年度2万8,207人、25年度2万7,941人、26年度2万7,686人である。次に、相談の対象となった高齢者の傾向は、約6割が相談時点で介護認定を受けていない人である。また、介護認定を受けている人の中では比較的軽度な人からの相談が多くなっている。いきいきセンターへの相談については、本人と家族からが約6割、次いでケアマネジャー、医療機関、民生委員の順となっている。 142 ◯山口委員 年間十一、二万件、物すごい相談量である。また、比較的、介護制度の入り口の相談が多いようであるが、これからは深刻な相談がふえていくように思えてならない。センターに勤務する職員は日々、相談対応に追われており、年休を取得するのも難しいという話を聞いているが、いきいきセンターの相談体制は十分なのか。過度な勤務体制になっていないのか。センターは事業者を公募して運営を行っているので、そこまでは役所として対処できないと言われるかもしれないが、職員は雇用主に言いにくいことなのである。今後もしっかり運営するため、何か対策がとれないのか。 143 △保健福祉局長 いきいきセンターの職員体制であるが、国の基準に基づき、高齢者人口3,000人から6,000人に対して保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の3名を配置している。また、高齢者人口が6,000人を超えた場合、2,000人ごとに1名を追加配置している。いきいきセンターについては、27年度に39カ所から57カ所に増設するとともに、土曜日の開設を始めている。職員の勤務状況が大きく変わっていることから、まずは現在の運営状況を把握しているところである。 144 ◯山口委員 運営状況を調べ、改善に取り組むよう要望しておく。次に、25年度は東区、中央区で、26年度は全区でモデル事業として実施されている医療と介護の連携強化モデル事業と高齢者地域支援モデル事業について、事業の概略と課題を尋ねる。また、27年度からどのように取り組まれているのかあわせて尋ねる。 145 △保健福祉局長 医療介護の連携強化モデル事業については、医療、介護サービスの切れ目ない一体的な提供を行うためには関係する専門職の連携が重要であることから、専門職間のネットワークの構築や課題の共有を行うための会議、研修会などを実施するとともに、退院時の在宅生活への移行をスムーズに行うための退院時連携の手引を作成し、関係者への周知を進めてきた。この取り組みにおける主な課題としては、専門職や市民にとって病院退院時に在宅療養という選択肢が一般的なものとなっていないことや、在宅支援にかかわる多くの専門職の間で情報を共有する仕組みが整っていないことなどが挙げられる。27年度からは、26年度の介護保険改正において制度的に位置づけられた地域ケア会議を地域や全市レベルなど各階層に設置し、この会議の場で課題把握や解決策の検討、連携の仕組みづくりなどを進めているところである。また、保健、福祉、医療に関する情報を一元的に集約管理する情報プラットフォームの構築と、その効果的な活用手法の検討などの取り組みを進めている。次に、高齢者地域支援モデル事業については、高齢者の在宅生活を継続するには、日ごろからの見守りなど、地域の方々による支え合い、助け合いが重要となることから、地域と区役所が地域の高齢者の課題について意見交換を行い、それぞれの地域の実情に合わせた取り組みを26年度末までに市内19校区で実施してきた。この取り組みにおける主な課題としては、地域の事業者やボランティアグループなどの人材や資源を把握し、それらを生かした継続的な取り組みとしていくことが必要となっていることなどが挙げられる。27年度からは、地域の理解と協力を得ながら、26年度までのモデル事業実施校区以外の校区へ取り組みを広げているところである。 146 ◯山口委員 医療と介護の連携強化モデル事業については、時間の都合上、今回は質問をやめ、高齢者地域支援モデル事業について尋ねる。26年度は市内19校区で取り組んでいるとのことだが、地域とどのように合意形成し、取り組んでいるのか。また、住民への周知に力を入れる必要があり、今後は全ての校区で地域と区役所による高齢者の課題に関する意見交換をスタートさせてほしいが、どのようなスケジュールで進めていくのか、あわせて尋ねる。 147 △保健福祉局長 高齢者地域支援モデル事業の地域内での合意形成については、地域と区役所との意見交換の場において、町内ごとの高齢化率などの現状や高齢者の困り事などの課題を共有することにより、それぞれの地域の特性に応じた主体的な取り組みの必要性について合意形成が図られていると認識している。地域における具体的な取り組みとしては、見守り支援マップの作成、地域カフェの立ち上げや健康づくりウオーキングなどが行われている。また、地域と区役所による高齢者の課題に関する意見交換については、小学校区レベルの地域ケア会議として設置を進めている高齢者地域支援会議や、各区保健福祉センターと自治協議会などの校区団体で実施する校区保健福祉事業懇談会などにおいて、29年度末までに市内全ての校区で意見交換を実施することを目指している。 148 ◯山口委員 先ほどの答弁で、モデル事業の取り組みから見えてきた課題として、地域の事業者やボランティアグループなどの人材や資源を把握し、それらを生かした継続的な取り組みとしていくことが必要とのことである。地域での活動が活発になってきた場合、介護士や保健師、ケアマネジャーやいきいきセンターの職員などの専門職や地域の事業者が地域の活動をサポートすることが必要になってくるのではないかと考えるが、所見を伺う。 149 △保健福祉局長 地域における活動への専門職や事業者によるサポートについては、地域や全市レベルなど各階層に設置する地域ケア会議に専門職や事業者、地域住民などが参加し、地域課題やその解決方法の検討を進めることを通して、それぞれの顔の見える環境をつくり、専門職や地域の事業者による地域活動へのサポートにつなげていきたいと考えている。 150 ◯山口委員 本市には高齢化が進んでいる、高齢者が少ない、単身世帯が多い、集合世帯が多いなど、地域で違いがある。地域による支え合い、助け合いの取り組みを全市に広げていくためには、区の垣根を越えて、似通った地域特性の校区代表などが一緒に協議するなどの機会の場を設けてはどうかと考えるが、所見を伺う。 151 △保健福祉局長 25、26年度のモデル事業の実施を踏まえ、取り組みを他の校区へ広げているところである。議員指摘のとおり、区を越えて取り組み事例を共有することは意義あるものと考えている、現在、各区での自治協議会代表者の定例会などにおいて、モデル事業実施校区での取り組み事例について情報提供や意見交換を行っているが、今後は保健福祉局で開催している地域包括ケアフォーラムや市民局の自治協議会サミットなどの場で活動事例報告を行うなど、区の垣根を越えて事例を共有できる機会をふやしていきたいと考えている。 152 ◯山口委員 ぜひ取り組みをお願いしておく。次に、在宅での24時間365日の切れ目ないサービスを提供するための地域密着型サービスについて尋ねる。介護制度の中で8種類もある地域密着型サービスの中で、今年度はどの事業を募集しているのか。また、期待されているとおりの応募があっているのかあわせて尋ねる。 153 △保健福祉局長 地域密着型サービスを行う事業者の募集については、地域密着型サービス8種類のうち、計画的に整備を進める必要がある地域密着型特別養護老人ホームや高齢者グループホームのほか、通い、訪問、宿泊のサービスを組み合わせて行う小規模多機能型居宅介護、通い、訪問、宿泊サービスに加えて必要に応じて訪問介護を行う看護小規模多機能型居宅介護、定期的な巡回訪問等を行う定期巡回・随時対応型訪問介護看護の5種類について、第6期介護保険事業計画に基づき募集を行っている。小規模多機能型居宅介護及び看護小規模多機能型居宅介護については、例年より多く応募があっているものの、計画数には満たない見込みとなっている。また、その他のサービスについてはおおむね計画どおりの応募状況である。 154 ◯山口委員 8種類中5種類の募集を行っているが、その応募が計画数に満たない事業があるということは何か問題があると思う。ぜひ課題を見つけ、次の応募のときには改善してほしい。また、今後、地域包括ケアを推進していくためには地域密着型サービスの充実が不可欠と考える。より一層の整備を進めるためにどのように取り組むのか。 155 △保健福祉局長 在宅生活を支えるサービスとして、地域密着型サービスの充実が重要であると認識している。第6期介護保険事業計画においても、地域密着型サービスの拡充を整備方針としている。今後、より多くの応募をいただけるよう、特に応募条件などについて見直しを検討していきたいと考えている。 156 ◯山口委員 次に、医療分野に関する質問であるが、病院から出される薬について、別の受診のときにお薬手帳を持ってこない高齢者が多いので、福岡市薬剤師会では、節約バックとも言われるお薬バッグを準備し、次に病院に行くときは、今ある全ての薬をバッグに持参してもらうやり方を推奨している。例えば、高齢者乗車券の申請窓口などでお薬バッグを配れないものか。格段に医療費の削減につながる施策と考えるが、所見を伺う。 157 △保健福祉局長 薬の節約のため福岡市薬剤師会が行ういわゆる節約バッグ運動については、薬の飲み残しや薬剤の重複投与が確認できるとともに、医療費の抑制にもつながる有益な取り組みであると考えている。本市としても、これまでイベント等において節約バッグを配布するとともに、講習会などの機会を活用し、その有効性を周知している。今後とも、福岡市薬剤師会と連携し、節約バッグの普及に向け積極的に取り組みたいと考えている。 158 ◯山口委員 ぜひ普及に取り組んでほしい。地域包括ケアについてさまざまな視点から質問してきたが、それぞれの課題について着実に取り組みを進めていかなければならず、その実現のためには一定の年数がかかると思う。2025年までの地域包括ケアの実現に向けた工程について、保健福祉局の考え方を伺う。 159 △保健福祉局長 地域包括ケア実現に向けた2025年度までの取り組みについては、まずは2025年の目指す姿や目標などに基づき、27年度から29年度までの3年間の具体的な取り組みなどを整理した地域包括ケアアクションプランを関係団体とともに推進していくことが基本であると考えている。また、その進捗状況を確認しながら、次期介護保険事業計画などの行政計画策定の中で、必要な施策の検討を幅広く行っていきたいと考えている。 160 ◯山口委員 今回の質問では、いずれ直面する、高齢者が住みなれた地域で安心して生活するための地域包括ケアについて問題提起した。さまざまな施策がある中で何をどう組み合わせて、そして地域は何を担うのか、はっきりさせていく必要がある。また、別の視点からは、介護保険料が高いとよく元気高齢者から指摘がある。介護保険を利用していないので意見はもっともであるが、世代間の再配分、つまり若い世代へ負担を肩がわりさせる仕組みはつくってはならないと考える。森田社会保障・人口問題研究所所長が指摘されているとおり、社会保障費用の先送りは極力減少させなければ、若い世代からは悲鳴が上る。住まいも施設も数限りなくつくれるものではない。これからは医療や介護にできるだけ頼らないような意識を持ち、早い段階から健康づくりに取り組む必要がある。高齢者の割合が本市で21%を超える超高齢社会が間もなく到来することを見据え、限りある予算の中でどういう形態が望ましいか、知恵の出しどころである。保健福祉局がリーダーシップを発揮し、これからの超高齢社会に向けて、全庁挙げての取り組みが今こそ必要と思うが、今後の方針について、高島市長の決意を伺い、質問を終わる。 161 △市長 本市の高齢化率はことしの7月に20%を超え、10年後には24.8%、20年後には28.3%となり、今後、急速に高齢化が進展していく。来たるべき超高齢社会においても生活の質が維持、向上できる持続可能な制度や仕組みを構築していくためには、高齢者が一律に支えられる側になるということではなく、意欲や能力に応じてできるだけ支える側に回っていただき、いつまでも健康で生き生きと暮らすことができる社会を実現することが重要であると考えている。その実現に向け、支える側となる高齢者の方々が生きがいを持って活躍できるように、健康づくりや就労、社会参加の促進に取り組んでいく。一方で、支えられる側となっても、住みなれた地域で安心して生活を続けることができる仕組みをつくることが重要であり、地域、関係機関、行政が一体となった地域包括ケアの実現に向けた取り組みを総合的に進めていく。これから迎える超高齢社会に対応していくためには、保健福祉の分野に限らず、交通や住まい、経済などさまざまな分野での取り組みが重要となり、全庁を挙げてハード、ソフトの両面から持続可能な制度や仕組みの構築に取り組んでいく。 162 ◯津田委員 自由民主党福岡市議団を代表して、博多港の未来展望について、ウォーターフロント地域における今後の計画について、場外観光市場設置に向けた取り組みについて、中央卸売市場における高度衛生管理体制について尋ねる。初めに、博多港の未来展望について尋ねる。博多港はこれまで本市、ひいては九州・西日本の経済を支え、成長を牽引してきた。歴史をさかのぼれば、博多港は二千年も前から我が国と大陸との交流の窓口で、人、モノ、情報の行き交いがあり、これからも本市が成長し続け、ひいては日本の成長を牽引していくためには、長期的な展望に立って博多港の機能強化をすべきと考える。博多港の物流について、平成26年の国際海上コンテナ取扱個数を尋ねる。 163 △港湾局長 平成26年の国際海上コンテナ取扱個数については、約91万1,000TEUと初めて90万TEUを突破し、2年連続で過去最高を更新している。 164 ◯津田委員 90万TEUを超える国際海上コンテナを取り扱うコンテナターミナルの現在の稼働状況はどのようになっているのか。 165 △港湾局長 博多港においては、国際海上コンテナの約9割を香椎パークポートの2バース及びアイランドシティの2バースで取り扱っている。コンテナターミナルについては、順次、整備を進めているところであり、現在、奥行き350メートルで供用しているアイランドシティC2コンテナターミナルの奥行きを500メートルに拡張する整備を進めている。また、物流ITシステムの機能強化など、ターミナル運営の効率化を図っているところであるが、既存のコンテナターミナルは、岸壁、ヤードともに満杯に近い状況にあると認識している。 166 ◯津田委員 既存のコンテナターミナルが満杯に近い状況の中、さまざまな対策に取り組んでいるとのことだが、限界が近づいているのではないか。平成13年改定の港湾計画において、アイランドシティに位置づけているDコンテナターミナルの整備状況を尋ねる。 167 △港湾局長 Dコンテナターミナルについては、D岸壁の事業採択に向けて国と協議を行っているところであるが、国においては、震災復興や国際コンテナ戦略港湾である京浜港、阪神港の整備が優先されていることなどから、27年度の事業採択は見送られている状況にある。博多港が今後も本市のみならず九州・西日本の経済を支える役割を果たしていくためには、コンテナターミナルの充実強化は不可欠であることから、Dコンテナターミナルの整備の重要性、緊急性を国に理解してもらいながら、D岸壁の早期事業採択に向けてしっかりと取り組んでいく。 168 ◯津田委員 博多港は九州輸出入コンテナの半数以上を取り扱うなど、九州の経済活動を支える重要な港となっている。アジアに近い地理的優位性から、国際海上コンテナ取扱個数が平成26年には約91万TEUと過去最高を更新しており、また、国際物流拠点づくりを推進しているコンテナターミナルの背後では、新青果市場を初め大型物流倉庫の立地が進んでいることからも、今後も確実にコンテナ貨物取扱数が増加すると思われる。その受け皿としてアイランドシティのDコンテナターミナルの早期整備は不可欠であるため、スピード感を持ってしっかり取り組むよう要望する。博多港の人流について、平成26年の外航クルーズ船の寄港回数及び外航クルーズ客数はどのようになっているか。 169 △港湾局長 博多港における平成26年の外航クルーズ船の寄港回数については99回、クルーズ客数については約21万人となっている。 170 ◯津田委員 多くのクルーズ客を円滑に受け入れるため、ことし5月から中央ふ頭においてクルーズセンターが本格供用されているが、センターの建物、交通広場を含め、これらの整備に係る決算額を尋ねる。 171 △港湾局長 クルーズセンター及び交通広場等の整備に係る26年度決算額については、6億2,467万6,000円となっている。なお、クルーズセンターについては、工期の都合から整備費を27年度に3億3,077万円繰り越しており、合計すると9億5,544万6,000円となっている。 172 ◯津田委員 現在までのクルーズセンターの利用状況はどのようになっているのか。また、施設整備によりクルーズ受け入れ環境はどのように改善したのか。 173 △港湾局長 クルーズセンターの利用状況については、ことし5月の供用開始から9月末までに約23万人のクルーズ客のほか、多くのクルーも利用している。また、クルーズセンターを整備したことにより最大20の審査ブースの設置が可能となり、これまで2時間半から3時間を要していた入国審査の時間が1時間程度短縮された。また、大規模屋内空間の確保、周辺のバス待機場整備により利便性、快適性が向上しており、さらに、これまで施設の機能不足により実現できなかった大規模な博多港発着クルーズも可能となるなど、クルーズ受け入れ環境は大幅に改善されたと考えている。 174 ◯津田委員 ことし、第3委員会で那覇港に調査出張に行ったが、管理組合の方から、クルーズ客はもとより、船員であるクルーの評判は、船会社が寄港地を決める際の判断材料の一つであると聞いた。本市においても、クルーズ客やクルーズ船のクルーにアンケートをとるなど、利用者の声は聞いているのか。 175 △港湾局長 クルーズ客やクルーの福岡に対する評価については、これまでも満足度調査やクルーズ船社、旅行代理店へのヒアリングなどを通して情報収集に努めてきた。今後さらにクルーズ客やクルーへのヒアリングやアンケートを実施するなど、利用者の声の把握に努めていく。 176 ◯津田委員 利用者の声を生かしていくことがクルーズの誘致や寄港の定着につながることから、しっかりと利用者の声を把握し、今後のセンターの運営に反映するよう要望する。平成26年の外航クルーズ船寄港回数は99回、クルーズ客数は約21万人とのことだが、平成25年と比べるとどう変化したのか。また、ことしと来年の寄港回数の見込みを尋ねる。 177 △港湾局長 平成25年の外航クルーズ船の寄港数は22回、クルーズ客数は約3万人であり、平成26年は平成25年に比べて寄港数で約4倍、乗客数で約7倍となっている。また、今後の外航クルーズ船の寄港見込みについては、ことしは実績も含め259回、来年は約400回を見込んでいる。 178 ◯津田委員 今の見込みが実現すれば、平成25年からわずか3年間で寄港数は実に18倍となる。観光消費の増加につながるクルーズ船の増加は本市にとって大きな成果とは言えるが、短期間での急増は新たな課題を生じさせているのではないか。 179 △港湾局長 クルーズ船の寄港数等の急増による新たな課題としては、クルーズ船の大型化や2隻同時寄港がふえたことなどに伴い、観光バスの台数がふえ、かつ特定の市内観光地や商業施設周辺に同じ時間帯にバスが集中することで交通渋滞が発生している。今後、関係局と連携しながら、バス駐車場の確保や交通整理員の配置、旅行代理店への強い働きかけなど、ハード、ソフト両面での対策にしっかり取り組み、早急な解決を図っていく。また、岸壁延長の不足から中央ふ頭に係留できないアジア最大級のクルーズ船クァンタム・オブ・ザ・シーズ寄港時やクルーズ船が2隻同時に寄港する場合、本来は物流岸壁である箱崎ふ頭を利用しており、物流業務に支障を来すケースも出ている。 180 ◯津田委員 今がクルーズ消費を取り込む好機であることは間違いないが、議会でも取り上げられたとおり、地域でのバス不足、観光バスに伴う渋滞などの課題にはしっかりと取り組みを進められたい。現在、クルーズ船が2隻同時に寄港する場合、また1隻でもアジア最大級のクルーズ船であるクァンタム・オブ・ザ・シーズが寄港した場合には中央ふ頭での着岸対応ができないため、暫定的に物流の埠頭である箱崎ふ頭に着岸させているのが実態である。国は2020年までにクルーズ100万人時代の実現に向け取り組みを進めているが、昨年、クルーズによる入国者が21万人と国内シェアの半分を担っている博多港は、アジアに近い優位性もあって、日本随一のクルーズ拠点港になると考えている。そのためには、中央ふ頭において新たなクルーズ岸壁の整備を進め、またクルーズ船の2隻同時着岸の支障となる埠頭西側のコンテナなどの物流機能を埠頭東側へと再編すべきと考えるが、中央ふ頭を将来的にどのように整備していくのか。 181 △港湾局長 博多港は拡大するアジアクルーズ市場を背景に、地理的優位性等を生かし、日本一のクルーズ拠点港を目指している。このため、現在改訂中の博多港港湾計画においては、中央ふ頭をクルーズ船受け入れを行う埠頭として機能強化するため、国際フェリー機能を埠頭東側に移し、埠頭西側においてクルーズ船が2隻同時着岸できる岸壁を計画している。現在、中央ふ頭における新たな旅客船対応岸壁の早期整備について国に対して働きかけているところであり、クルーズ受け入れ環境の強化に着実に取り組んでいく。 182 ◯津田委員 ウォーターフロントの再整備、港湾機能の再編に当たっては、しっかりと長期的なビジョンや将来像を持って取り組まれたい。現在急増中のアジアからのクルーズ船の寄港は重要であるが、一方で、国際情勢に左右されにくい博多港発着のクルーズをふやすことも大変重要と考えている。日本で海外旅行というと、その手段として飛行機が真っ先に思い浮かぶが、アジアに近い福岡・博多港においてはクルーズ船も重要な役割を担えるのではないか。博多港発着クルーズを振興することにより、市民にとっても身近なものとなるとともに、クルーズ客が市内のホテルに前後泊をしたり、クルーズ船が食料を市内で調達したりすることによる地域への経済効果がさらに得られるのではないか。クルーズ拠点港を目指すためには、施設整備が急がれるのも当然だが、発着クルーズの振興や利用者の声を反映したサービスの提供、施設運営などのソフト面の整備が非常に重要と考えるが、どうか。 183 △港湾局長 クルーズ拠点港を目指すためには、ソフト面での対応も非常に重要であると考えている。博多港発着クルーズの振興については、クルーズ船社や旅行代理店に働きかけるとともに、国内需要の掘り起こしに向け、市民及び地元企業向けの船内見学会やセミナーを積極的に実施していく。また、中央ふ頭への交通アクセス強化や情報インフラを初めとした利便機能の充実など、利用者のニーズを酌み取りながら、ハード、ソフト両面で受け入れ環境の整備を図っていく。 184 ◯津田委員 ウォーターフロント地区における今後の再整備計画について尋ねる。同地区はクルーズを初めとした海のゲートウェイであるとともに、マリンメッセ福岡、福岡国際会議場などのコンベンション施設が集積しており、毎年、国内外から多くの方が訪れている。一方で、各施設の稼働率は非常に高く、せっかく利用の申し込みがあっても断らざるを得ない状況になっており、経済的な機会損失も生じていると聞く。マリンメッセ福岡及び国際センターの展示場について、26年度の利用件数と稼働率はどのようになっているのか。また、利用を断った件数とその経済損失額を尋ねる。 185 △経済観光文化局長 26年度のマリンメッセ福岡の利用件数は94件で稼働率は86.0%、福岡国際センターの利用件数は97件で稼働率は87.2%となっている。また、この2施設について、26年度に利用申し込みを断った件数は、両施設合計で38件となっており、これに伴う経済損失額は約102億円と推計している。 186 ◯津田委員 平成26年の本市における国際会議の開催件数は先日の日本政府観光局の公表によると336件で、6年連続で国内第2位となっている。また、来年6月にはライオンズクラブ国際大会の開催が決まっており、世界各地から1万人、日本国内を合わせると3万5,000人の参加が見込まれるなど、本市のMICEのポテンシャルは高く、こうした機会を捉え、本市の今後の成長につなげていくことが大変重要になっている。現在、本市では、ウォーターフロント地区において第2期展示場の整備など、MICE機能の強化に取り組んでいるが、ぜひとも国内を代表するMICE拠点づくりを行ってもらいたいと考えている。ウォーターフロント地区において、どのようにMICE機能の強化を図っていこうとしているのか。また、その中で第2期展示場はどのような施設を考えており、整備後はどのような効果が期待できるのか。 187 △経済観光文化局長 ウォーターフロント地区におけるMICE機能の強化について、コンベンションゾーンにおいては、展示機能の不足が喫緊の課題であることから、32年度の開館を目指し、第2期展示場を整備するとともに、既存コンベンション施設の集積を生かし、展示場や会議室などのMICE関連施設が徒歩圏内に一体的、機能的に配置されるオール・イン・ワンを実現することで国際競争力のあるMICE拠点の形成を図っていきたいと考えている。第2期展示場の整備内容については、施設規模は展示面積を5,000平方メートルとし、主に展示利用を想定しつつ、催事の規模や種別など、主催者のさまざまなニーズにも柔軟に対応できるよう、分割利用が可能な施設とする予定である。また、第2期展示場の整備に伴う効果については、マリンメッセ福岡と福岡国際センターの中間の規模となる展示場を整備することで、催事の規模等に応じた施設間の振り分けを柔軟に行うことや、これらの施設を一体的に利用した大規模な催事の開催ができるようになり、これまで断っていた催事や新規の催事の受け入れが可能になるものと考えている。この結果、MICE参加者数は約65万人の増、また経済波及効果は約500億円の増になるものと推計している。 188 ◯津田委員 いろいろな都市がMICE施設の強化に取り組む中、MICE誘致に向けた国際競争力の強化は喫緊の課題であり、第2期展示場の整備については、時期を逸することなく着実に進められたい。また、ウォーターフロント地区において、オール・イン・ワンの実現に欠かせないものの一つに宿泊機能がある。宿泊機能は大規模な学会等を誘致していく上で非常に重要な施設であり、東京、横浜、大阪、神戸など国内の主要なMICE都市では既にコンベンション施設に隣接してホテルが立地し、コンベンション施設との一体的な利用によりMICE拠点としての価値や競争力を高めている。本市においてもオール・イン・ワンのMICE拠点を実現していく上では宿泊機能は不可欠と思うが、コンベンションゾーンにおけるホテルについてどのように考えているのか。また、誘致に向け現在どのような取り組みを行っているのか。 189 △経済観光文化局長 コンベンションゾーンにおけるホテルについては、ウォーターフロント地区におけるオール・イン・ワンのMICE拠点を実現し、MICE都市としての国際競争力を高めていく上で必要不可欠な施設であると考えている。特に大規模会議等においては、参加者の宿泊施設としての利用のほか、レセプションや分科会の会場としても利用されることが多く、また商談など、MICEを通じたビジネスマッチングの場としても期待されることから、VIP向けの質の高い部屋を備えた250~300室程度の部屋数を有するホテルの誘致を図っていきたいと考えている。また、現在の取り組み状況については、ことし3月よりウォーターフロント地区の計画提案公募を実施し、現在提案された民間事業者と対話を進めているところであるが、ホテルに関する提案も複数あり、引き続き、ホテル立地の事業性などを確認しながら、事業者公募に向けて具体的な条件などの検討を進めていく。 190 ◯津田委員 ホテルについては、MICE利用者のみならず、イベントが開催されていない日にも一般の利用が見込まれ、ウォーターフロント地区に日常的なにぎわいをもたらす上で非常に重要な施設である。ウォーターフロント地区の新しい顔にふさわしいグレードの高いホテルの誘致は地域のシンボル性やブランド力向上にも大きく寄与するものであり、全庁一丸となって誘致に取り組まれたい。中央ふ頭、博多ふ頭から成るウォーターフロント地区については、国内外の乗降客が行き交う海のゲートウェイとして、また、コンベンション施設が集積し、多くの人々が利用するMICE機能として、この地区のポテンシャルを生かした再整備を進められたい。また、再整備に当たっては、ぜひとも都心部の貴重な水辺やそれらと一体となったオープンスペースを生かし、港やMICE施設の利用者だけではなく、市民に親しまれ、用事がなくとも市民が行きたくなるようなまちにしていくべきと思うが、所見を伺う。 191 △総務企画局長 ウォーターフロント地区の再整備に当たっては、市民に親しまれ、多くの方々に訪れてもらうエリアになることが重要であると認識している。この地区は現在でもマリンメッセや国際会議場などのMICE関連施設が集積するとともに、海のゲートウェイとしても重要な役割を担うなど、国内外から多くの方々が訪れるポテンシャルの高い地区となっている。まずはこのポテンシャルを生かし、MICE機能や海のゲートウェイ機能の強化を図るとともに、来訪者だけでなく、市民が喜んで訪れる都心部の魅力的な海辺空間となるよう、にぎわいの創出に加え、天神・博多駅との交通アクセスの強化や回遊性の向上を図り、天神・渡辺通地区、博多駅周辺地区に並ぶ都心部の第3の核となる新たな拠点づくりを目指していく。また、27年度にウォーターフロント地区再整備計画を取りまとめることにしており、市民とともに地区の将来像や夢を共有しながら、魅力あるウォーターフロントづくりに取り組んでいく。 192 ◯津田委員 場外観光市場設置に向けた取り組みについて尋ねる。本市の中央卸売市場は全国でも有数の取扱量を誇り、九州・西日本の拠点市場として消費者へ安定的に生鮮食品を提供するという大きな役割を担っている。卸売市場は市民にとっては毎日の食卓を支える台所的な存在であり、福岡を訪れる観光客にとっては食べ物が新鮮でおいしいまち・福岡の魅力を陰で支える重要な存在である。本市では現在、観光・MICEに積極的に取り組んでいるが、その効果もあって外航クルーズ船の寄港数も激増する見込みであり、海外からの観光客に福岡の食を売り込む大きなチャンスとなっている。しかし、市内にはクルーズ客などを乗せた観光バスを受け入れられる食事どころや食の観光拠点が余りないのが現状であり、受け入れ体制の一つとして、東京築地のような場外観光市場があれば、クルーズ客や観光客だけではなく、市民も新鮮な魚料理など福岡のおいしい食べ物を食し、さらに鮮魚や乾物、野菜、肉などのいろいろな食材を一つの場所で買い求めることができる。また、福岡の魚、野菜、肉の消費がふえれば、第1次産業の将来に明るい展望の光が差すことになる。現在、本市の農業、水産業は担い手が減少している状況にあるが、福岡の市場を経由した魚、野菜等が安定的に高く売れるようになれば、生産者の所得も上がるのではないか。観光客が消費したお金が生産者に還元され、さらに中央卸売市場の業界全体が潤うよう、しっかり取り組んでいく必要があると考える。そのためには、新たな消費の出口が必要となり、その大きな一つが、JAや漁協などが運営する直売所や道の駅などの市場外流通の形態ではなく、安全で安心な生鮮食料品を安定供給している卸売市場を経由し、市場流通も活性化させる場外観光市場だと考えている。場外観光市場の設置に向けては、まずは本市の農業、水産業を支える市場関係者、具体的には荷受けの卸売業者、仲卸や小売の各団体が共通認識を持って一体となって取り組んでいく必要があり、そこに生産者が絡み、行政が支援をしていく体制が理想であると考えている。中央卸売市場取扱高について、26年度の各市場の取扱数量、取扱金額並びに5年前との比較はどのようになっているのか。 193 △農林水産局長 青果市場、西部市場及び東部市場の青果部3市場合計の取扱数量と取扱金額について、26年度の取扱数量は32万4,707トンで、21年度比7.9%の増、取扱金額は638億2,400万円で16.9%の増である。食肉市場については、26年度の取扱数量は2万2,956トンで、21年度比26.3%の増、取扱金額は213億3,600万円で75.3%の増である。鮮魚市場については、26年度の取扱数量は7万8,554トンで、21年度比23.6%の減、取扱金額は466億7,200万円で11.1%の減となっている。なお、鮮魚市場は取扱数量及び取扱金額ともに減少傾向にあったが、26年度は、前年度と比較して、数量、金額ともに増加に転じている。 194 ◯津田委員 鮮魚市場において、今後さらに取扱高をふやすためには何よりも消費をふやす取り組みが必要であり、特に観光客や市民に対して直接消費を促すことが大変重要と考えるが、現在どのような取り組みを行っているのか。 195 △農林水産局長 鮮魚市場での消費を促す取り組みとして、毎月第2土曜日に、仲卸売場棟など市場の一部を開放し、魚の販売や料理教室などのイベントを開催する市民感謝デーを実施している。また、鮮魚市場会館1階の飲食店及び土産店を常時市民や観光客に開放しており、多くの方々に利用いただいているところである。 196 ◯津田委員 鮮魚市場会館1階の飲食店は、近年来場者がふえ、観光の魅力の一つとなっているものの、受け入れ環境の面で評価すると、駐車場はある程度確保されているが、多数の観光客が同時に食事できる規模ではない。都心に近い鮮魚市場の好立地を生かし、さらに消費増に向けて、観光客や市民を受け入れる食の拠点づくりが必要となっている。昨年、大阪や高知の場外市場を視察したが、それほどぜいたくな施設ではなくても、受け入れの規模がある程度あれば、観光の魅力は倍増し、何より都心に近い立地であれば観光客も訪れやすいと考える。本市には柳橋連合市場があるが、残念ながら周辺に駐車場がないため、観光で連れていきにくい場所となっている。その点、鮮魚市場であれば、来客者用の駐車場があり、しかも、福岡を代表する魚の魅力や新鮮なイメージが直接伝わると思う。そうしたことから、鮮魚市場に隣接する場所に場外観光市場が設置されることが望ましく、それにより魚食の振興や普及、水産物の消費をふやすことにつながると考えるが、どうか。 197 △農林水産局長 鮮魚市場の隣接地に場外観光市場が設置されれば、観光客や市民にとっても魅力ある観光スポットになるものと考える。また、鮮魚市場の活性化や市場の取扱量の増加も期待されるが、小売業者などの市場関係者への影響も考えられることから、鮮魚市場関係者の意見を十分に聞きながら研究していく。 198 ◯津田委員 中央卸売市場における高度衛生管理体制について尋ねる。本市の中央卸売市場が今後とも九州・西日本の拠点市場として発展していくためには、市場の機能をさらに高め、他都市の市場との差別化を図り、多くの消費者の信頼を得ることが重要と考える。平成28年2月にはアイランドシティに新青果市場が開場する予定となっているが、どのような市場ができるのか市民は大きな期待を寄せている。新青果市場整備事業について、過去3年間の決算額はどのようになっているのか。 199 △農林水産局長 24年度は56億5,092万円余、25年度は13億6,765万円余、26年度は75億8,632万円余となっている。 200 ◯津田委員 新青果市場はどのような特色を持った市場になるのか。また、新市場における高度衛生管理体制はどのようになっているのか。 201 △農林水産局長 新青果市場の特色については、全国に先駆けてコールドチェーンの充実を図った市場であること、また、自然採光や自然換気、LED照明を積極的に導入するとともに、大陽光発電設備の設置など再生可能エネルギーを活用した市場であること、さらに、アジアへの青果物の輸出促進に向けた立地的優位性を有した市場であることなどが挙げられる。高度衛生管理体制については、卸売場面積の8割以上を密閉式の定温卸売場として整備するとともに、出荷前検査の拡充などによる残留農薬検査の充実強化を図ることとしている。また、排気ガス等による青果物の品質や衛生環境への悪影響を取り除くために、フォークリフトなどの市場内運搬車両の電動化を推進するなど、衛生管理の徹底を図ることとしている。 202 ◯津田委員 当然ながら、市民が求めているのは食の安全安心であり、市場で取り扱う野菜、果物、食肉、魚などの生鮮食料品は何よりも鮮度や品質の維持管理が重要である。新青果市場では、全国でもトップクラスの規模のコールドチェーン対応の卸売場が整備されるだけではなく、残留農薬検査の充実強化や環境への配慮等にもしっかり取り組まれるということであり、大いに期待している。食肉市場や鮮魚市場においてはどのような高度衛生管理の体制となっているのか。 203 △農林水産局長 食肉市場においては、12年度の移転開場にあわせて、当時、食肉市場としては日本初のISO9001の認証を取得しており、屠畜業務を運営する卸売会社が屠畜の解体から部分肉の加工までの作業工程ごとに詳細なマニュアルを作成し、手洗いや消毒、温度管理の徹底など、衛生管理の高度化に取り組んでいる。鮮魚市場においては、市場の西側に魚の乾燥を防ぐためのシャッターを備えた卸売場を整備したほか、貝類、生ウニなどを定温管理する卸売場なども整備している。また、27年度からは市場の東側の卸売場を中心に、より高度な衛生管理のための施設整備を行う高度衛生管理整備事業に取り組むこととしている。 204 ◯津田委員 鮮魚市場では27年度から高度衛生管理整備事業に取り組んでいくとのことだが、高度衛生管理整備事業の内容とその効果を尋ねる。 205 △農林水産局長 高度衛生管理整備事業の内容については、市場の東側に位置する開放型の卸売場をシャッターの設置により閉鎖型の卸売場に整備するとともに、市場西側の卸売場に防鳥ネットを設置するほか、市場内運搬車両の電動化に向けて充電設備の設置を予定している。事業の効果については、卸売場における排気ガスや粉じん、直射日光、鳥の侵入等の危害要因が取り除かれ、鮮度保持や品質向上を図ることで、市民により安全安心な水産物の供給が可能となり、また、生産者にとっては魚価の上昇が期待できるものと考えている。 206 ◯津田委員 高度衛生管理のために運搬車両の電動化を進めていくとのことだが、電動運搬車両への買いかえなど、各事業者の負担がふえる懸念もある。新青果市場においては、27年度事業として運搬車両の電動化に向けた支援を行っているが、具体的にどのような支援内容となっているのか。 207 △農林水産局長 新青果市場においては、排出ガスを低減し、市場内の衛生環境の向上を図ることを目的に、新市場への移転統合にあわせて、各事業者が導入する電動車両の購入またはリースに係る経費の一部に対して補助を行うこととしている。 208 ◯津田委員 新青果市場の場合、3市場の移転統合という事情もあるが、業界からの要望を受け、市場関係者の負担を軽減するための支援策が実施されている。鮮魚市場においても、今後、市場内のターレットやフォークリフトといった運搬車両の電動化を円滑に進めるためには事業者への何らかの支援が必要と考えるが、所見を伺う。 209 △農林水産局長 鮮魚市場においては、運搬車両の電動化に必要な充電設備の設置に向け、現在、設置場所や設置数等について市場関係者と協議を行っているところである。電動化に向けた支援のあり方については、電動運搬車両の導入費用などを考慮し、高度衛生管理整備事業を実施する意義を踏まえ、総合的にその必要性について考えていく。
    210 ◯津田委員 鮮魚市場の中でも仲卸売場は夏場に温度が高くなることや、排水が流れにくい場所があると聞いている。今回の高度衛生管理整備事業は卸売場を対象としているが、卸売場だけではなく、仲卸売場を含めた鮮魚市場全体として高度衛生管理の取り組みを進めるべきと考えるが、所見を伺う。 211 △農林水産局長 高度衛生管理の取り組みを効果的なものとするため、仲卸売場についても温度や排水などが水産物の鮮度保持や衛生管理に影響を及ぼすことがないよう、実態を把握した上で、対策について検討していく。 212 ◯津田委員 本市の鮮魚市場は、他都市の中央卸売市場とは一線を画す大きな特色がある。水産物の取扱品目には鮮魚、冷凍品、塩乾物の3種類があるが、このうち取扱量に占める鮮魚の割合は中央卸売市場の全国平均が48%であるのに対し、本市の場合は86%もあり、本市の鮮魚市場関係者がいかに鮮魚での販売を大事にしているかのあらわれである。また、このこだわりのおかげで市民はいつの時期でも新鮮な魚を刺身で食べることができ、魚がおいしいまち福岡の魅力が維持できていることを忘れてはならない。今回の鮮魚市場における高度衛生管理整備事業についても、他都市の市場と違う福岡のこだわりを守り、一層の市場の魅力向上につながるものでなければならず、鮮魚市場としても、取扱高をふやすとともに、さらに安全安心を確保するため、高度衛生化に向けてしっかりと取り組まれたい。また、事業の実施に当たっては、水産業を取り巻く環境が厳しい中、市場関係者の負担とならないよう、運搬車両の電動化のための補助などの支援を行うとともに、仲卸売場を含めた鮮魚市場全体としての高度衛生管理の取り組みをしっかり推進するよう強く要望する。 213 ◯冨永(計)委員 自由民主党福岡市議団を代表して、高齢者の健康づくりについて、北崎、今津地区を初めとした農山漁村地域の活性化について、九大伊都キャンパス周辺まちづくりとアクセス強化について、以上3点について尋ねる。初めに、高齢者の健康づくりについて、先日、NHKのニュースで、フランスの高齢者は幸福感が高いという放送があった。70歳以上の84%が自分は幸せと答えたそうである。幸福感が高い要因は3つあり、1つは健康、2つ目は人に囲まれていること、3つ目は人生を楽しめることだそうである。日本においては、今、男性80歳、女性86歳と平均寿命が飛躍的に延び、世界一の長寿国になった。平均寿命は医療の発展、食生活や生活環境の改善等によるものと思われるが、幸福感という意味ではまだまだのように感じる。高齢期においても元気で生活の質を保ちながら生き生きと生活できる社会環境づくりが必要となっている。最近、健康寿命という言葉をよく聞くが、健康寿命とは何か。 214 △保健福祉局長 健康寿命とは、厚生労働省の定義では、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことである。言いかえると、介護や支援などを受けずに、自立して日常生活を送ることができる期間である。 215 ◯冨永(計)委員 本市の平均寿命と健康寿命は全国と比較してどのくらいか。 216 △保健福祉局長 厚生労働省の公表資料によると、22年度の平均寿命は、本市で男性が79.84歳、女性が86.71歳、全国で男性が79.55歳、女性が86.30歳となっており、男女とも全国平均を上回っている。また、健康寿命は本市で男性が70.28歳、女性が71.93歳、全国で男性が70.42歳、女性が73.64歳となっており、男女とも全国平均を下回っている。今後、健康寿命延伸に向けた取り組みを進めていく必要があると考えている。 217 ◯冨永(計)委員 これは、本市の高齢者が全国平均に比べて介護や支援が必要であるなど、健康ではない期間が長いということをあらわしており、健康寿命を延ばすための取り組みを強化していく必要がある。健康寿命の延伸のための現在の取り組み状況を尋ねる。 218 △保健福祉局長 健康寿命の延伸を図るためには、生活習慣病予防や健診等による疾病の早期発見、重症化予防などとともに、日ごろからの積極的な健康づくりの取り組みが重要である。また、健康づくりは若いころからの生活習慣の改善が基本となる。そのため、本市では健康日本21福岡市計画に基づき、関係機関や団体などと連携し、家庭や職場、地域などのさまざまな場面において、運動、栄養、休養などの生活習慣改善に向けた取り組みをライフステージに応じて推進しているところである。 219 ◯冨永(計)委員 今後は高齢者の増加により、介護が必要となる人がふえていくことが明らかである。若いころからの生活習慣の改善が基本であるとのことであるが、高齢期というライフステージにおいても要介護状態に至らないように、健康づくりに対する取り組みや意識啓発を行っていくことも必要である。特に高齢者の健康づくりや介護予防に関する取り組み状況、26年度決算額の主な使途について尋ねる。 220 △保健福祉局長 26年度の取り組みについては、65歳以上の全ての高齢者を対象とする生き活きシニア健康福岡21事業と、要介護状態となるおそれのある高齢者を対象とするシニア健康教室などを実施している。生き活きシニア健康福岡21事業では、校区担当保健師や生き活き講座嘱託員が地域で健康づくりや介護予防をテーマとした出張講座を実施する生き活き講座及び転倒予防教室などを実施し、26年度の延べ参加者数は約6万8,000人、決算額は7,475万円余となっている。また、決算額の主な内容は、嘱託員14人の人件費5,016万円余、管理栄養士、歯科衛生士などの専門職派遣に係る報償費1,048万円となっている。次に、シニア健康教室では、自宅でできる内容を中心とした運動、認知症予防などの講話、口腔体操など、各種健康づくりのプログラムをスポーツクラブや医療機関などに委託して実施し、26年度の参加者数は約1,400人、決算額は6,136万円となっている。また、決算額の主な内容は、受託事業者への委託料6,046万円余となっている。 221 ◯冨永(計)委員 高齢者の健康づくりや介護予防の中でも、運動は、1人でも、あるいは友人、家族と一緒にでも取り組むことができ、特に推進すべきであると考える。体育の日であった昨日、各紙の朝刊には、元気な高齢者が最高水準であること、運動習慣で大きな差が出ているとのスポーツ庁の発表が掲載されていた。現在、本市はどのような運動を推進しているのか。 222 △保健福祉局長 各保健福祉センターを中心に、生活習慣病予防の一つとして、ウオーキングや体操、踏み台昇降、スロージョギングなどの運動を推進している。中でもウオーキングは誰もが気軽に取り組める運動として推奨している。また、本市老人クラブ連合会の主催で、ゲートボール大会やグラウンドゴルフ大会などが行われており、本市が各種事業について助成金を交付している。そのほか、本市主催での各区の生きがいと健康づくり推進事業として、ソフトダーツ大会やハイキング、ウオーキングなどを各区老人クラブ連合会に委託して実施している。 223 ◯冨永(計)委員 高齢者の運動の取り組みを推進するに当たっては、身近な場所で身近に取り組むことのできる環境の整備が重要であると考える。ハード面、ソフト面にわたって運動しやすい環境の整備についての取り組み状況を尋ねる。 224 △保健福祉局長 関係局区と連携して、ウオーキングコースの紹介やマップの作成、公園への健康遊具の設置、ウオーキングロードの設置など、ソフト面、ハード面にわたり誰もが安心して気軽に健康づくりに取り組める環境の整備を進めているところである。 225 ◯冨永(計)委員 高齢者の健康づくりには、身近な公園で運動することが効果的であると考えられる。公園に高齢者が快適で安全に運動ができる健康遊具を設置すれば、高齢者が散歩の合間に運動することで、筋力の低下を抑えることができると考える。公園内の運動遊具については、平成21年9月議会において、積極的な設置を要望していたが、当時と比べて、公園は市内に全部で何カ所あり、そのうちどのくらい健康遊具が設置されているのか。 226 △住宅都市局長 公園内の健康遊具については、平成21年4月において、市内1,585カ所の公園のうち64公園に278基の健康遊具を設置していた。平成27年4月現在においては、1,659カ所の公園のうち139公園に541基の健康遊具を設置している。 227 ◯冨永(計)委員 この6年間に、健康遊具が設置されている公園や健康遊具は倍増しているが、設置割合は4%から8%への増加であり、健康遊具の設置はまだ不十分である。高齢者も、ただ歩くだけではなく、背伸ばしベンチやぶら下がり遊具があれば、遊びながら健康づくりができると考える。地域の健康遊具に対するニーズをどのように把握しているのか。また、古い公園はブランコなどの子ども向けの遊具が多く、高齢者向けの遊具が少ないことから、これからの超高齢化社会を見据え、高齢者が利用できる健康遊具を設置すべきであり、公園の再整備の機会を捉えながら計画的に取り組んでいく必要があると考えるが、所見を伺う。 228 △住宅都市局長 地域の健康遊具に対するニーズについては、公園整備の際にワークショップを開催するなど地域住民と直接話し合い、具体的な要望を把握しているところである。公園の再整備については、公園再整備計画に基づき計画的に進めており、23年度から30年度までに150カ所の再整備に取り組むこととしており、また、老朽化した公園施設の更新の際にも、地域の要望を踏まえ、健康遊具の設置を進めている。今後も公園の再整備や施設更新の機会を捉えて、地域のニーズを踏まえながら健康遊具の設置を進めていく。 229 ◯冨永(計)委員 超高齢化社会を迎えるに当たり、今後さらに高齢者の健康寿命を延ばすための取り組みを進めていくべきである。今後の健康寿命の延伸に向けた取り組みについて、所見を伺う。 230 △保健福祉局長 今後、超高齢社会を迎えるに当たり、健康寿命を延ばし、幾つになっても元気で生き生きとした暮らしができる社会をつくっていくことは非常に重要であると考えている。そのため、市民が身近なところで健康づくりに積極的に取り組めるよう、関係局区と連携を強化し、ソフト、ハード面から健康づくりの推進に努めていく。また、現在、要介護の主な要因となっている認知症やロコモティブシンドロームが、今後大幅に増加することが見込まれることから、早い段階からの予防が重要であり、特に高齢期前の50歳代からを重点的に、より効果的に対策をとっていく。市民の健康寿命の延伸が図られるようしっかりと取り組んでいく。 231 ◯冨永(計)委員 健康寿命を延ばすことは、本人にとってはもちろん、家族、医療機関あるいは行政にとっても大変よいことであるが、本人の自覚や努力が大切である。本市も健康寿命日本一を目指して、公園には、ブランコや滑り台同様、健康遊具も必置遊具と位置づけ、公園の充実を図るよう要望しておく。次に、北崎、今津地区を初めとした農山漁村地域の活性化について尋ねる。先週の総会質疑で、阿部正剛議員が志賀島の活性化を、笠議員が市街化調整区域の活性化を質問している。恐らく市街化区域に住んでいる市民は、市街化調整区域のことはぴんと来ないのではないかと思うが、市街化調整区域と市街化区域は大体、本市で半分ずつである。市街化調整区域はよりよい農地を残そうという地域で、秩序のない開発はやめておこうという場所であるが、人口減少が激しいことが、その地域住民にとって大変深刻な問題であると捉えている。本市は第3次産業が約9割を占めて、物流、人流による都市として生きていくまち、言いかえれば物流都市でしか生き残れないまちであると考えている。そういう意味では、市長が掲げているアジアのリーダー都市、あるいは特区を生かしたまちづくりなどは少しずつ実を結びつつあり、物流都市を目指すその取り組みは間違っていないと考えている。しかし、本市全体を見てみると、Y字型の都市構造の先端部分にある、西の北崎、今津、東の志賀島、早良の脇山、曲渕などの市街化調整区域である農山漁村地域では人口減少が激しく、過疎化が進んでいる。それぞれに地域事情があることから、西区の北崎、今津を例に、農山漁村地域の活性化について質問する。本市の長期目標は、物流都市をつくることであり、それに向かって中期、短期の計画を立てて取り組んでいる。一方、過疎化が進行している農山漁村地域においての長期目標は、人口減少に歯どめをかけ、人口増加に転じさせることとし、中期目標として産業の発展やインフラ整備、短期目標として規制緩和による定住化を進めるなど、北崎生まれの北崎育ちが北崎に定住できるまちをつくることである。今津も同様であり、そのようなまちを目指すという明確な目標を持ち、あらゆる手段をとっていかなければならないと考えている。市街化調整区域全体の人口ピークとその後の推移、同時期における北崎、今津地区の人口の推移を尋ねる。 232 △住宅都市局長 市街化調整区域の人口は、5年に一度の国勢調査でのみ把握されるため、最新の調査結果は平成22年となるが、市街化区域と市街化調整区域の区域区分がなされた昭和45年以降の調査結果によると、平成7年の4万3,662人をピークとして、平成22年時点は3万8,717人となっている。同期間の北崎地区の人口については、平成7年が3,231人、平成22年が2,521人、今津地区の人口については、平成7年が4,207人、平成22年が3,896人となっており、いずれの地区も平成7年と比較すると人口減少が見られる。 233 ◯冨永(計)委員 これまでも議員が北崎、今津地区を初めとした農山漁村地域の振興、活性化について意見を述べてきたが、一向に人口減少に歯どめがかかっていない。このままの状況が続けば、いわゆる限界集落と言われるように、集落の維持もできなくなると危惧している。中期目標として、主産業である農業、漁業を支える担い手を育成することが大切であると考える。北崎、今津地区における、中心となる農業や漁業の担い手の状況について、5年前と比較して示されたい。 234 △農林水産局長 北崎、今津地区の農業や漁業の担い手の状況について、暦年で集計されているため、暦年で答弁する。農業の担い手の状況について、中心的な担い手である認定農業者数については、北崎地区は平成22年が62人で、平成26年は55人と、7人の減少となっている。一方、今津地区は平成22年が16人、平成26年は20人と4人増加している。次に、漁業の担い手について、北崎地区は平成22年が130人、平成26年が110人と20人減少している。今津地区は平成22年が11人、平成26年が6人と、5人の減少となっている。 235 ◯冨永(計)委員 地域の活性化のためには主産業である農業、漁業が振興されなければならない。現在の担い手も時がたてば高齢化していくことから、将来にわたり農業、漁業の維持、振興を考えたときには、後継者対策が必要であると考える。本市では新規就業対策にどのように取り組み、北崎、今津地区においてはどのような成果が上がっているのか。 236 △農林水産局長 農業の新規就農対策については、応募した市民が基礎的な技術を学ぶ、ふくおか農業塾事業、地域の農家から栽培に関する技術指導等を受けることで新規就農を目指す農業インターンシップ事業、新規就農を促す青年就農給付金事業を実施している。新規就農者数は、北崎、今津地区では26年度までの過去5年間で16人が新たに就農している。漁業については、体験漁業や漁業技術研修への助成により新規就業者の定着に努めるとともに、後継者を対象に、漁船、漁具等の購入資金の低利融資を行っている。新規に漁業に就業した人は、北崎、今津地区において平成26年までの過去5年間で7人となっている。 237 ◯冨永(計)委員 生まれ育った地域に住み続ける、つまり定住するためには、生活の糧となる仕事が必要である。主産業である農林水産業の振興にも力を入れなくてはならない。経営規模の拡大や新たな販路を確保することも大切であり、あわせて農水産物に付加価値をつける6次産業化の取り組みも必要であると考える。北崎、今津地区における農林水産業の特色と、それを生かした農林水産物の付加価値向上に向けた取り組み状況を尋ねる。 238 △農林水産局長 北崎地区の農業の特色について、同地区は野菜や花の生産が盛んで、特に花の生産については市内産の約7割を占め、若手の後継者も育っている。付加価値向上に向けた取り組みとしては、26年度より花の販路拡大や本市内産のブランド化を目指し、輸出に向けた海外プロモーションを実施している。今津地区においては、イチゴ生産農家が多いことから、イチゴ狩りを主体とした観光農園的な経営を行う農家もある。北崎地区における漁業の特色については、同地区は県内有数のタイの水揚げ地として有名であり、ブランド水産物である唐泊恵比須かきの養殖も行われている。これらの水産物を生かし、さかなまつりの開催や干物通りでの加工品の販売、カキ小屋の営業、恵比須かきのさらなる高品質化や海外プロモーションなどに取り組まれている。今津地区では、主にタコ、カニ漁のほか、観光アサリも営まれている。 239 ◯冨永(計)委員 北崎、今津地区の地元住民も、これ以上の過疎化を何とかしてとめなければいけない、この現状から早く抜け出し集落に活力を取り戻していかなければならないと、危機感を抱いている。北崎地区においては、12年度に地域において「北崎を考える会」が発足し、13年度には、本市と協働で花鯛郷北崎地区活性化構想を策定し、活性化に向けて取り組みが続けられているが、人口減少に歯どめがかかっていない。最近は九州大学の移転に伴い多くの学生が伊都キャンパス周辺に住んでいるが、北崎、今津地区にも住んでもらえれば人口もふえ、少しは活気が出てくるのではないかと思う。また、空き家の活用も、定住化、人口増加に向けた一つの方法であると考える。現在の北崎地区における定住化に向けた取り組み状況を尋ねる。 240 △住宅都市局長 北崎地区については、北崎地区活性化構想において、住みたくなるまちづくりをアクションプランとして位置づけており、平成26年6月、北崎を考える会に定住化部会が設置され、地域主体による定住化対策に取り組まれている。また、平成26年10月の既存住宅賃貸化制度の創設に伴い、平成26年12月には地域と共働による空き家調査を実施し、これを踏まえて地域において空き家を活用した定住化対策を検討されており、本市としても地域の取り組みに対する支援を行っているところである。 241 ◯冨永(計)委員 北崎地区の定住化の促進のために、今後も地域と協働してしっかりと取り組んでほしい。北崎地区の先には最近人気の糸島がある。糸島の海岸沿いにはおしゃれなお店が並び、多くの観光客が訪れ、豊かな自然環境とゆっくりとした時間とおいしい食事を楽しんでいる。北崎地区の入り口には海づり公園があり、海の魅力に触れ合え、安全で快適に海釣りができる公園として昭和60年に開園しているが、開園後30年を経て施設が老朽化し、更新する時期が来ている。また、この公園には唐泊の恵比須かきを出すカキ小屋が設置されているが、11月から3月ごろまでのおおむね5カ月間しか開いていない。緑地など広大な敷地がせっかくあるのに、カキ小屋以外には利活用できていない状況である。北崎地区の活性化に資するため、海づり公園についても施設機能の更新を行うとともに、市民がゆっくりとくつろぎ、楽しめる場として改修なども検討すべきと考えるが、海づり公園について、今後の方向を尋ねる。 242 △農林水産局長 海づり公園については、昭和60年のオープンから30年が経過し、施設が老朽化しているため機能更新を行っていくが、あわせて、公園内の緑地や広場、駐車場などを活用することにより、市民がゆっくりとくつろぎ、楽しめる場となるよう、地域の意見などを聞きながら、北崎地区の活性化に資する公園のあり方について検討を行っていく。 243 ◯冨永(計)委員 北崎地区の活性化には、北崎生まれの北崎育ちが定住できるまちをつくるため、農水産業の活性化や定住化、海づり公園の活用が重要であるため、しっかりと取り組まれたい。次に、今津地区について、今津地区においては、校区自治協議会等において長期にわたるまちづくりの取り組みがなされ、24年度にはまちづくり計画書を策定し、定住化に向けた取り組みが行われているが、北崎地区同様に人口減少に歯どめがかかっていない。今津地区の定住化に向けた、これまでのまちづくりの取り組み状況について示されたい。 244 △住宅都市局長 今津地区では、少子・高齢化等の課題を受け、平成16年よりまちづくりの取り組みがなされ、平成24年8月に地区の活性化に向け、今津まちづくり計画書が策定されている。その取り組みの一環として、定住化の促進と住環境の保全を図るため、平成25年6月に、地区内の約4.9ヘクタールの区域において、地区外住民の建築行為等を許容する都市計画法第34条第11号の区域指定と地区計画の決定をあわせて行っている。これらの取り組みにより、当地区においては平成27年9月末現在で、新規の戸建て住宅の届け出が7件出されており、4件の建築が完了している。さらに、平成27年3月には地元組織である「すみよい今津をつくる会」により開催されたまちづくりフォーラム2015を契機として、27年度には自治協議会と共働による空き家調査を実施し、調査結果をもとに、地域において既存住宅賃貸化制度を活用した定住化の検討が行われている。また、平成27年9月に条例改正を行った、都市計画法第34条第12号に基づく新たな区域指定型の制度についても、現在、自治協議会において勉強会が開催されており、本市としても地域の取り組みに対する支援を行っている。 245 ◯冨永(計)委員 今津地区では一部の地域で新規に住宅が建設できるようになったことから、少しずつではあるが、新たな居住者が入ってきており、今後、成果が期待される。今回新たに創設した都市計画法第34条第12号による区域指定制度は使いやすく、スムーズな取り組みにつながると思われるため、人口減少の課題を抱える農山漁村地域に積極的にPRし、定住化に向けて取り組まれたい。市街化調整区域では、これまで空き家の賃借をしてはならない、あるいはアパートを建設してはならないなど規制があったが、平成26年10月から空き家の賃借ができるようになり、今回の条例改正において土地の分割等、規制緩和が進んでいる。天神、博多駅周辺は特区として容積率等を緩和しているが、過疎地でも、過疎地特区ではないが、今後も引き続き、規制緩和と民間活力の導入にしっかり取り組まれたい。今津地区においては、市立の高齢者施設である松濤園があり、老朽化のため平成29年4月には移転し、新しい施設の運営は民間に委託すると聞いている。移転により1.7ヘクタールという広大な跡地ができる。地元では、跡地利用のアイデアとして、付近にある元寇防塁の見学者の駐車場や若い世代の住宅、アパート建設等の意見が出ているようであるため、今津地区の活性化、定住化に資する跡地利用になるよう、しっかりと地元の意見を聞きながら取り組まれたい。これまで、人口減少が著しく、過疎化が進行している北崎、今津地区を事例に、農山漁村地域の活性化のための農林水産業の振興や定住化の取り組みについて尋ねてきたが、全国でも同様に、都市近郊においても過疎化の問題が生じている。国においても、地方創生の理念等をまとめた、まち・ひと・しごと創生法が平成26年11月に施行され、本市でも現在、福岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定に向けて取り組んでいる。福岡版の地方創生として、農山漁村地域の人口減少に歯どめをかけるという長期目標に向かって、住みよい環境を確保していかなければならない。もちろん地元住民が過疎化をとめようという共通の認識を持って頑張って汗を流さなければならないが、その地域で生まれ育った者がその地域に定住できるところをつくることが重要であり、本市の関係部署が一丸となって農山漁村地域の活性化にしっかり取り組んでもらいたいが、市長の所見を伺う。 246 △市長 本市の農山漁村地域においては、人口減少や高齢化の進展による活力低下により、農林水産業の振興やコミュニティの維持など、さまざまな課題を抱えていると認識している。人口減少の克服や地域の活力を取り戻す地方創生の動きは、農山漁村地域の活性化を進めていく上で重要な取り組みであり、本市においても、現在策定中の福岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略において、主な事業として自然と調和した市街化調整区域のまちづくりを掲げ、規制緩和による民間活力の導入など、地域特性を生かした地域主体のまちづくりの取り組みを進めていくこととしている。農山漁村地域の活性化に当たっても、行政や地域住民のみならず、民間事業者など多くの人が参加し、まちの将来像を共有しながら、それぞれの分野でみんなが未来を語り出し、動き出し、チャレンジが始まる。そのような取り組みを「FUKUOKA NEXT」として推進し、関係部局が一丸となって、農山漁村地域の活性化にしっかりと取り組んでいく。 247 ◯冨永(計)委員 九大伊都キャンパス周辺まちづくりとアクセス強化について尋ねる。西区の西部地域である、北崎、今津、今宿、玄洋、元岡、周船寺の6校区では、農山漁村地域として活性化に取り組むべき北崎、今津地区がある一方で、元岡地区では現在、九州大学の統合移転事業が進められている。九州大学伊都キャンパス及びその周辺は、本市の今後の成長を推進する活力創造拠点として、またJR筑肥線沿線の今宿、周船寺地域は、地域の拠点として本市の基本計画に位置づけられており、これらの地域一帯は西の新たな拠点となる極めて重要な地域である。そうした位置づけを踏まえ、この地域では土地区画整理事業や道路などの基盤整備が進められ、近年、目覚ましい発展が続いている。特に本市施行の伊都土地区画整理事業については、ことし10月3日に、市長も出席し、完成記念式典が行われたが、九州大学学術研究都市の玄関口として、また、西部地域の核として整備が進められ、平成9年の事業開始以来17年余りをかけ、ようやく完成したところである。伊都土地区画整理事業に係る26年度決算額を尋ねる。 248 △住宅都市局長 伊都土地区画整理事業の26年度決算額は、事業費ベースで14億1,177万円余である。 249 ◯冨永(計)委員 全体事業費の当初と最終ではどのように変わったのか。 250 △住宅都市局長 事業の当初計画では、区域面積102.7ヘクタール、事業費290億4,000万円で着手したが、JR九大学研都市駅の南側約27.7ヘクタールを編入したことなどにより、最終的に130.4ヘクタールで事業費407億円となっている。 251 ◯冨永(計)委員 事業成果についてはどのように考えているのか。 252 △住宅都市局長 伊都地区は本市西部の新たな拠点地域として、また九州大学学術研究都市の玄関口にふさわしいまちづくりを進めるため、平成9年に土地区画整理事業に着手し、公共施設の整備と宅地の造成等を行ってきた。事業着手時の地区内の人口は約900人であったが、事業によりJR九大学研都市駅の開業、商業施設、西警察署、西部地域交流センター、保育園などの立地が進み、平成27年9月末には約1万600人となった。伊都地区においては、現在も商業施設や住宅などの建設が進んでおり、西部地区の拠点として今後も発展していくものと考えている。 253 ◯冨永(計)委員 本市が行った伊都土地区画整理事業により、事業地内では大型商業施設や店舗が立地し、またマンションや学生アパートが建設され、900人の人口が一気に1万人を超えるなど、人口が大きく増加し、良好な市街地が形成されている。一方で、まちづくりが進み、人口が増加することにより新たな課題も生じている。九州大学の移転の進捗に伴い、九大学研都市駅と九州大学を結ぶバス路線については、朝の通学時間帯は、多くの九州大学の学生が通学に利用するため、駅前広場にバスを待つ行列ができ、駅利用者の増加とともに駅前広場は大変混雑している状況となっている。九大学研都市駅と伊都キャンパスの交通アクセス強化として、どのような取り組みを行ってきたのか。 254 △住宅都市局長 JR九大学研都市駅と九州大学伊都キャンパスの交通アクセスについては、大学の段階的な移転にあわせ、順次、アクセス道路の整備を進めるとともに、バスの増便など公共交通の充実に取り組んできた。26年度においては、利用者の需要に応じたバスの増便が行えるよう、JR九大学研都市駅北口広場のバスバースの増設を行い、利用者が特に集中する雨天時の朝のピーク時においても臨時便の投入が容易になるなど、バスを待つ行列の緩和につながっていると考えている。 255 ◯冨永(計)委員 九州大学の移転事業は30年度完了の予定であり、周辺のまちづくりはこれからさらに進んでいくものと思われる。九州大学の移転の進捗に伴い、通学する学生は今後も増加すると思われるが、交通アクセスの強化策として、どのような検討を行っていくのか。 256 △住宅都市局長 今後の九州大学伊都キャンパスへの交通アクセスについて、現在のバス路線はJR九大学研都市駅から2つのルートで運行がなされているが、30年度の農学系、文系の移転に向け、学園通線の整備にあわせたバス路線の新設や、伊都キャンパスにより近い鉄道駅であるJR周船寺駅発のバス路線の導入などについて、交通事業者や関係機関とともに検討していく。 257 ◯冨永(計)委員 九州大学伊都キャンパスと交通アクセスのある駅は、現在、九大学研都市駅だけであるが、昭和63年に都市計画決定された周船寺駅前線が、あと2年程度で完成する予定であり、それに伴い、周船寺駅前広場も拡張され、バスの発着ができるようになるため、九州大学へのバス路線を加えるよう検討されたい。また、多くの乗客を運ぶ手段として、全国では、バス2台を連結した形の連節バスの導入事例がふえている。本市でも先日、都心循環BRTの検討として、28年度から西日本鉄道(株)が連節バスの運行を予定していると聞いたところである。九州大学の学生の通学手段として連節バスの導入は検討できないのか。 258 △住宅都市局長 JR九大学研都市駅から九州大学伊都キャンパス間の連節バスの導入については、学生の居住先や移動手段の動向なども見きわめながら、採算性の観点も踏まえ、現在、交通事業者や九州大学等とともに輸送力強化に向けた対応策の一つとして検討を行っているところである。 259 ◯冨永(計)委員 利便性の向上に向けてぜひ検討されたい。駅と九州大学を結ぶ重要なルートとなる学園通線については、市街地と伊都キャンパスを結ぶメーンのアクセスルートとして鋭意、整備が進められているが、学園通線の整備状況について尋ねる。 260 △道路下水道局長 学園通線については、全体延長約5.1キロメートルのうち、既に3.7キロメートルの供用を開始している。残る1.4キロメートル区間については、26年度末までに80%を超える用地買収が完了しており、現在、一部の区間の工事を進めている。今後とも平成29年春の供用に向け取り組んでいく。 261 ◯冨永(計)委員 学園通線は九州大学のゲートとなる道路であり、大学の移転完了も近づいているため、予定どおり平成29年春に供用開始できるよう、引き続き頑張ってほしい。また、駅とキャンパス間の通学混雑対策として、交通アクセスの強化以外にも、学生たちに駅周辺だけではなく西部地域に広く居住してもらうことも考えられるのではないかと考える。市街化調整区域の定住化施策として、福岡市開発行為の許可等に関する条例の一部改正においては、既存集落への居住が可能となる新制度ができている。新制度の適用により北崎や今津地区など周辺の集落に九州大学の学生が住むことになれば、地域の活性化にもつながっていくと思われる。駅周辺のワンルームマンションの現在の家賃は4~5万円と聞いているが、北崎あたりであれば半分ぐらいで済むのではないかと考える。地域の活性化のためには、九州大学と集落を結ぶアクセス道路の整備が必要であると考えるが、検討状況を尋ねる。 262 △道路下水道局長 九州大学と北崎地区を結ぶ道路については、北崎地区のまちづくりなどの動向を踏まえながら、地形的な要素や既存道路の活用などを総合的に勘案し、道路の拡幅や、それらを補完する新たな道路整備について検討を行っていく。 263 ◯冨永(計)委員 北崎地区への新しい道路については、地形上、大変厳しいものがあると思うが、周辺地域と九州大学とのアクセスの向上については、周辺地域の活性化につながるものであるため、今後とも前向きに検討されたい。伊都土地区画整理事業が完成し、地区内には1万人を超える人々が暮らす新しいまちが誕生しているが、現在も伊都地区に隣接して、組合施行による区画整理が北原、田尻地区、周船寺駅南地区で計画されている。さらに糸島市においては浦志地区で区画整理事業が進められている。今後、西部地域が西の新たな拠点として熟成していくためには、市中心部との交通アクセスについてもしっかりと強化されなければならない。まず、地域の交通円滑化に加え、広域的な道路課題について、今津、北崎、今宿、玄洋、元岡、周船寺の西部6校区と福岡都心を結ぶ道路は、海岸線を走る道路である旧202号線、202号バイパス、202号バイパスの上を走る西九州自動車道の3本しかない。この3本を通って福岡都心に行くためには、今宿の交差点、今宿大塚の交差点のどちらかを必ず通らなければならない。西九州自動車道周船寺インターのフルインター化については、平成26年12月に西部6校区代表者連絡協議会から請願が提出され、市議会において全会一致で採択されていることから、当局はこれを重く受けとめ、適切に対応していく必要があると考える。西九州自動車道周船寺インターのフルインター化についての検討状況を尋ねる。 264 △住宅都市局長 西九州自動車道周船寺インターのフルインター化に関する検討状況については、周辺の主要な交差点の交通量や渋滞状況を把握するため、平成27年8月に休日の交通実態調査を行ったところであり、引き続き、平日の交通実態や周辺の土地利用などの調査を行うこととしている。これらの調査結果等を踏まえ、西九州自動車道へのアクセス強化について、道路管理者である国などの関係機関と協議を進めていく。 265 ◯冨永(計)委員 西九州自動車道へのアクセス強化は糸島半島一帯を広く面的に捉えた九州大学学術研究都市の形成につながる問題でもあるため、本市は責任を持って取り組まれたい。次に、西部地域と本市の中心部との鉄道による交通アクセスについては、地下鉄空港線とJR筑肥線の相互直通運転を行っているが、姪浜駅を起点として交通事業者が異なっているため、西部地域の住民は地下鉄とJR筑肥線のそれぞれの初乗り運賃を二重に支払わなければいけない状況であり、利用者にとって非常に割高感がある。現在の地下鉄とJR筑肥線の乗り継ぎ運賃はどのようになっているのか。 266 △交通事業管理者 地下鉄とJR筑肥線との乗り継ぎ運賃は、基本的にはそれぞれの運賃の合算額としているが、乗客の負担軽減を図るとともに、地下鉄赤坂駅からJR筑肥線周船寺駅までの間の相互発着の場合には20円を割り引くとともに、割り引き後の額を基礎にした定期券を発行している。また、ICカードはやかけんまたはスゴカを使用し、姪浜駅をまたいで地下鉄とJR筑肥線を利用した場合には、定期券の場合は除くが、1乗車につき10ポイントを付与するサービスを行っている。このほか、伊都キャンパス回数券や伊都シーサイド回数券、JR筑肥線ミニ普通回数券など、利便性の高い企画乗車券を発売している。 267 ◯冨永(計)委員 地域住民の割高感を解消する一つの方法として、JR筑肥線の姪浜~筑前前原間の線路を本市交通局が借りて、第2種鉄道事業者となって運行することはできないのか。 268 △交通事業管理者 JR筑肥線の一部区間を交通局が第2種鉄道事業者となって運行することについては、第一には、現在、JR筑肥線を運営しているJR九州の了解を得る必要がある。また、筑肥線で使用されている線路や駅舎などを可能な限り活用した場合においても、地下鉄線内と一体的な運行管理、安全確保、サービス提供などを行っていく必要があることから、そのための改修経費として数十億円程度の多額の初期投資が必要となる。このために地下鉄全体の収支が悪化することや、国の事業許可に当たり課題となることが考えられるなど、さまざまな課題がある。いずれにしても、将来的な鉄軌道のあり方や総合交通体系づくりという都市政策上の観点からも、総合的に検討していくべきものと考えている。 269 ◯冨永(計)委員 先日の総会質疑で、森議員が、西鉄貝塚線と地下鉄の直通運転はできないのかと質問し、西鉄が赤字である今がチャンスであると発言していたが、筑前前原~姪浜間はJR筑肥線の中では大変儲かっているドル箱路線であると思われ、そう簡単にJR九州が手放すとは思えない。第2種鉄道事業者となって運行することはハードルが高いとわかったが、今後も、頭の片隅に置いて検討されたい。市長が住む西区西の丘は西鉄バスが通っており、姪浜から地下鉄に乗れば初乗り運賃は1回である。都市高速道路も石丸から乗れば620円である。ところが、西の丘のすぐ西側、長垂山を越えて西部6校区に入ると、同じ福岡市民、西区民でありながら、都心への直通バスは少なく、鉄道の初乗り運賃は2回加算され、都市高速道路もプラス150円で770円かかる。本市民でありながら、西部6校区の住民は糸島市民と何ら変わらない。住民は本当の意味での福岡市民に早くなりたいと思っているのである。本市は西区西部地域に九州大学を誘致し、また西の拠点と位置づけ、まちづくりを進めていることから、交通アクセスの強化や利便性の向上についてしっかり取り組んでいく責任があると考えるが、市長の所見を伺う。 270 △市長 九州大学伊都キャンパス及びその周辺については、第9次福岡市基本計画において、糸島半島を圏域とする九州大学学術研究都市の核として、学生や研究者などが新たな知を創造、発信する活力創造拠点に位置づけているところである。九州大学伊都キャンパス周辺における地域内や本市中心部との交通アクセスの強化は西の活力創造拠点の形成にとって大変重要なことであり、将来の本市の成長につながるものと認識している。このため、30年度の九州大学統合移転事業の完了も見据えながら、関係機関とともに交通アクセスの強化や利便性の向上にしっかりと取り組んでいく。 271 ◯飯盛委員 自由民主党福岡市議団を代表して、救急活動の現状について、商店街振興について、福岡クリエイティブキャンプ事業について、以上3点について尋ねる。初めに、救急活動の状況について、本市はコンパクトで充実した都市機能と豊かな自然環境の調和がとれた住みやすいまちと評価され、また、多くの人や企業が集まり、人口増加や経済成長が続く元気なまちとして国内外における存在感も高まっているが、本市でも他都市と同様に確実に高齢化が進展しており、現在策定中の本市人口ビジョンの原案によると、65歳以上の人口は2015年現在、32万2,000人で21.1%であるが、25年後の2040年には、49万7,000人、31%にまで増加を続けるとのことである。今後も本市が住みやすいまち、元気なまちとしての国内外の評価を得ていくためには、市民が安全で安心して暮らせるまちづくりにもしっかりと取り組んでいくことが重要である。そういう意味で、消防機関の行う迅速かつ的確な救急業務は市民生活のセーフティーネットとして必要不可欠な行政サービスであり、その重要性はますます高まっている。報道等によると、全国的に救急車の出動件数は増加の一途をたどっているとのことである。本市においても、消防局発表の平成26年消防年報を見ると、年々、右肩上がりに救急出動件数が伸びている。26年度の救急活動に係る予算及び決算額を尋ねる。 272 △消防局長 26年度の救急活動に係る当初予算額は救急車5台の購入費を含め1億8,954万7,000円で、決算額は1億528万4,000円となっている。不用額の主なものは、救急車の寄贈を受けたことによるものである。 273 ◯飯盛委員 本市には現在、救急車は何台あるのか。また、本市の救急出動件数はどうなっているのか、5年間の推移と伸び率を尋ねる。 274 △消防局長 本市の救急車は、予備車を除き、現在28台を配置している。救急出動件数及びその伸び率については、平成22年が6万2,404件で対前年比7.1%増、平成23年が6万4,418件で対前年比3.2%増、平成24年が6万5,892件で対前年比2.3%の増、平成25年が6万8,299件で対前年比3.7%増、平成26年が7万968件で対前年比3.9%増である。平成26年は平成22年と比較して8,564件増加しており、伸び率は13.7%となっている。 275 ◯飯盛委員 本市の救急隊は、119番通報から病院到着までの搬送時間の速さが全国トップクラスと聞いている。市民の大切な命をしっかり守っている救急隊の活動を大変頼もしく感じている。しかし、救急車の出動はふえ続け、救急要請時に近くに救急車がいないために少し離れた場所から救急車が来ることになるなど、救急車の現場への到着や病院到着までの時間が徐々に遅くなる傾向になっていくことが予測される。本市の過去5年間の119番通報から現場到着までの時間及び病院到着までの時間の推移を尋ねる。また、最新データでの全国平均との比較及び政令指定都市中の順位について尋ねる。 276 △消防局長 119番通報から現場到着までの時間及び病院到着までの時間について、平成22年が現場到着時間は平均6分20秒、病院到着時間は平均25分40秒、平成23年が現場到着時間は平均6分21秒、病院到着時間は平均26分11秒、平成24年が現場到着時間は平均6分20秒、病院到着時間は平均26分23秒、平成25年が現場到着時間は平均6分29秒、病院到着時間は平均26分55秒、平成26年が現場到着時間は平均6分35秒、病院到着時間は平均27分2秒であり、現場到着時間及び病院到着時間とも年々遅くなる傾向にある。全国平均との比較については、最新の平成25年中の統計資料で比較すると、119番通報から現場到着までの時間は、全国平均8分30秒に対して、本市は6分29秒、病院到着時間は全国平均39分18秒に対して本市は26分55秒である。政令指定都市の中では現場到着時間及び病院到着時間とも1位である。 277 ◯飯盛委員 本市の救急車が病院到着するまでの時間は全国平均と比べ迅速であるが、その時間は年々延びており、緊急性のある人への対応のおくれにより救命効果の低下が危惧される。他都市では医療機関に何度も受け入れを断られるなど、搬送病院が決まらないために搬送がおくれている事案などがあっていると聞いている。本市での医療機関への搬送状況を尋ねる。 278 △消防局長 平成26年中に救急隊が医療機関へ搬送した人数は6万2,690人であるが、そのうち88.3%の人が1回目の医療機関への問い合わせで受け入れが決定しており、3回以内で99.2%の人が決定するなど、スムーズな救急搬送が実現できているものと考えている。 279 ◯飯盛委員 スムーズな病院搬送が行われているが、本市独自の仕組みがあるのか。 280 △消防局長 市内には救急車の受け入れ体制が整っている、いわゆる救急告示病院が39施設あり、その病院が加盟している福岡市救急病院協会がある。同協会は昭和40年に設立され、これまで50年にわたり本市の救急と医療機関との連携強化などに尽力いただいており、現在では救急搬送者の約9割を協会加盟の医療機関で受け入れてもらっている。このような協会の尽力に加え、協会と市医師会と行政が一体となって、これまで救急医療体制を構築してきたことなどにより、スムーズな救急搬送が実現できているものと考えている。 281 ◯飯盛委員 本市が救急病院協会や医師会との連携によりしっかり対応しており、全国的にもさまざまな面で救命救急にすぐれた都市であることはわかったが、2040年には高齢化率が30%を超える見込みであり、今後も高齢化の進展などによる救急需要が増加していくことが見込まれる。現在、消防局の救急車28台で7万件を超える救急要請に出動しているが、限りある救急資源を効率的に活用し、本当に必要な人の要請に、より素早く対応していく必要がある。消防局は今後さらに市民の命を守るために、救急業務においてどのように取り組んでいくのか尋ねる。 282 △消防局長 救急業務における今後の取り組みについては、市民による応急手当てのさらなる推進のため、小学校5年生と中学校2年生を対象にした救命講習を今後さらに拡大するとともに、高齢者救急への取り組みを強化するため、市老人クラブと連携を図り、けがや病気の発生状況や傾向、予防策などを盛り込んだ救命講習会を新たに開始するなど、高齢者に対する予防救急の啓発も推進していく。また、救急車の適正利用についても、引き続きさまざまな機会を捉えて市民啓発に取り組むとともに、医療機関との連携をさらに強化するなど、市民の生命、身体を守るため、さらに救急体制の充実、強化に努めていく。 283 ◯飯盛委員 本市における救急車による病院搬送は、救急病院協会や本市医師会などの関係機関との連携などにより迅速に搬送されているとのことであるが、今後とも市民の安全で安心な生活を守るため、さまざまな施策をしっかりと推し進められるよう要望する。次に、商店街振興について尋ねる。平成27年9月の月例経済報告では、景気はこのところ一部に鈍い動きも見られるが、緩やかな回復基調を続けていると示されている。市民の身近な存在である商店街においては、厳しい経営環境が続いており、商店街関係者にとっては景況感を実感できない状況にあると感じている。一方で、防犯、防災、生活者にとって安全、安心で環境に優しいまちづくり、子育て支援の充実、高齢者など住民のための地域コミュニティ拠点づくりなど、地域全体の公共的な役割、機能を果たすことが地域住民や消費者から求められている。これまでも商店街が大変厳しい状況に置かれている現状を捉え、本市に対し、商店街に一律的な支援を行うのではなく、商店街の規模やタイプなど、それぞれの状況に応じて所管局のみならず、地域に根差した区役所を初めとする関係部局などが連携しながら、市役所全体で支援を行うことが重要であると述べてきた。27年度条例予算特別委員会の総会質疑において、商店街の振興における次のステージという問いに対し、市長は「商店街の規模や環境に応じた効果的な支援の取り組みが不可欠であり、中心部にある広域型の商店街は、都市基盤の充実や観光資源の磨き上げ等によってもたらされる都市の活力を集客力や販売力の拡大に結びつける。また、地域住民が日常的に利用する近隣型や地域型の商店街においては、少子高齢化や防犯対策などの課題に地域住民とともに取り組むことで商店街の活性化につなげていきたい」と答弁した。本市においては、26年度に策定された中小企業・小規模事業者振興推進プランの中に、商店街と地域との共働に向けた取り組みや商店街を支える人材の確保、育成に向けた支援の強化などが施策の方向性として盛り込まれ、プラン実現のため27年度に新たな商店街振興施策を設け、支援体制の強化を図っていることについては評価しているが、商店街はまだまだ厳しい状態に置かれている。商店街や地域の活性化に向けてやる気はあるものの、なかなか次のステップが踏み出せずにいる商店街が大半と思われるが、このような背景を踏まえ、本市における商店街振興が現在どのように行われているのか。26年度の商店街振興施策全体の予算及び決算額を尋ねる。 284 △経済観光文化局長 26年度の商店街振興施策全体の予算及び決算額は、当初予算額3,087万6,000円に対し、決算額は2,547万7,000円である。 285 ◯飯盛委員 商店街振興施策のうち、26年度に行った空き店舗対策に関する施策内容を尋ねる。 286 △経済観光文化局長 空き店舗の解消に向けた取り組みを支援するため、商店街等が指定した空き店舗や業種での出店者に対し、改装費や賃借料の一部を助成するほか、新たに商店街空き店舗情報提供事業を実施したところである。この事業は福岡県宅建協会及び福岡商工会議所と連携して実施しており、平成26年9月に同宅建協会が管理する不動産情報サイト「ふれんず」の中に「あ・きてん福岡」の名称で新たに商店街情報サイトを開設したもので、このサイトでは、商店街ごとに商店街及びその周辺の空き店舗物件の情報をリアルタイムで更新、提供するとともに、それぞれの商店街に関する情報や本市及び同商工会議所の支援施策などの情報をあわせて一元的に提供している。 287 ◯飯盛委員 空き店舗対策に伴う施策の26年度予算及び決算額は幾らか。また、そのうち「あ・きてん福岡」に係る事業の決算額を尋ねる。 288 △経済観光文化局長 26年度の空き店舗対策に関する施策の予算及び決算額は、当初予算額447万円に対し決算額は335万2,000円となっており、このうち商店街空き店舗情報提供事業の決算額は97万2,000円である。 289 ◯飯盛委員 「あ・きてん福岡」の成果を尋ねる。 290 △経済観光文化局長 「あ・きてん福岡」の成果については、平成26年9月の開設から平成27年8月までの1年間の月平均のアクセス件数は月1万8,000回を超えており、このサイト内に掲載された空き店舗物件の成約件数は月約67件で、開設前を大きく上回っているところである。 291 ◯飯盛委員 民間とも連携し、事業の成果も上がっているよい事業であるが、この事業についても、このサイトを通した新規出店者の増加に向け、さらなる充実を図っていくことが必要であると考えるが、所見を伺う。 292 △経済観光文化局長 このサイトでは商店街ごとの周辺の空き店舗物件情報に加え、各商店街の概要や特徴、イベントなどの主な取り組み、業種別の店舗構成などの情報を掲載しているほか、商店街周辺のデータとして、本市ホームページにリンクする形で、小学校校区別の世帯数やその人口を男女別、年齢別に閲覧できるようになっている。また、現在、各商店街エリアの消費の動向等、商店街への出店の検討に役立つ情報の追加について、宅建協会、商工会議所と検討を行っており、今後とも「あ・きてん福岡」のさらなる充実に取り組んでいく。 293 ◯飯盛委員 今後も引き続き、宅建協会、商工会議所と連携し、新規出店者のニーズに応えられる事業として、商店街の空き店舗減少に努力されたい。次に、9月初旬に市長が定例会見で発表していた27年度新規事業である商店街活性化パートナー発掘事業の事業内容を尋ねる。 294 △経済観光文化局長 商店街活性化パートナー発掘事業は、活性化に取り組んでもらうパートナーを発掘し、新しい発想や考え方で商店街の活性化を図ろうとするものである。まず、人手やアイデア、資金の面で課題を抱え、外部との連携を望んでいる商店街を募集し、次に、その商店街の課題を抽出した上で、活性化に向けたアイデアの掘り起こしを行い、そこで出てきたアイデアの実現可能性を調査し、持続可能なビジネスプランづくりを行い、さらに、ビジネスプランの事業化に、商店街とともに取り組むパートナーとのマッチングまでを行うものである。 295 ◯飯盛委員 これまでの商店街振興施策との違いなど、この事業の特徴について尋ねる。 296 △経済観光文化局長 商店街活性化パートナー発掘事業の特徴は、本市ではこれまでもさまざまな商店街振興施策を実施してきたが、人手やアイデア、資金などに課題があり、単独での活動に限界を感じている商店街が見られたところである。このため、今回の商店街活性化パートナー発掘事業では、市民を初め、幅広く外部人材の力を活用していくための仕組みを組み込んでいるところである。まず、ビジネスプランの策定段階においては、商店街の商店主らのほか、企業、地域住民、大学生など幅広い市民からアイデアの掘り起こしに協力をしてもらうこととしている。また、事業の実施段階では、それぞれのビジネスプランにふさわしいアイデア、ノウハウ、意欲、実行力を持ったパートナーを発掘し、これらとマッチングすることでより実現性と効果の高い活性化の取り組みを推進していくこととしている。さらに、これらの実施に当たっては、産学官民の連携組織である福岡地域戦略推進協議会が主催する、新たなビジネス創出のためのプロジェクト「イノベーションスタジオ福岡」の協力を得て、外部からの新しい発想や考え方を取り込むためのノウハウなども活用していくこととしている。 297 ◯飯盛委員 ことし9月の定例会見で発表されたばかりの事業であるが、現在までの進捗状況及び今後の展開について尋ねる。 298 △経済観光文化局長 ことし9月に参加商店街の公募を行い、3商店街を選定したところである。今後、10月から11月にかけて商店街の課題抽出のための調査を実施し、12月を目途に、その課題解決に向け、幅広い市民の参画によるアイデアの掘り起こしを行うこととしている。その後、そこで出されたアイデアをもとにビジネスプランづくりを行い、3月にその事業化に商店街とともに取り組むパートナーとのマッチングを行う予定である。 299 ◯飯盛委員 これまでもそれぞれの商店街の違いを把握し、本当にやる気のある商店街への支援が重要であると述べてきた。そういう点で、これまでになかった新たな手法で取り組む事業である。この事業を成功させ、その事例を広くほかの商店街にも周知し、意識啓発を図るとともに、やる気のある商店街については、その商店街の課題や実情をしっかりと捉えながら、経済観光文化局だけでなく全庁挙げてしっかりと支援するよう改めて要望する。最後に、福岡クリエイティブキャンプ事業について尋ねる。市長を先頭に、本市では都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すことを基本戦略として掲げ、人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市を目指して、まちづくりを進めている。そのうち都市の成長の実現に向けて、中長期的な施策として企業の誘致に取り組んでおり、その結果、企業や本社機能の立地が進んでいると聞いている。最近では、オンライン旅行会社のエクスペディア九州支店が本市に立地したとの報道もあっている。元気なまち、住みやすいまちとして本市の存在感が高まっていることを実感しているが、実際の企業立地の状況及びその取り組みの一つである福岡クリエイティブキャンプ事業について尋ねていく。まず、23年度から26年度までの過去4年間の企業立地の状況について尋ねる。 300 △経済観光文化局長 23年度から26年度までの4年間に本市が誘致した企業立地の状況については、23年度が40社、24年度が35社、25年度が53社、26年度が52社で合計180社となっており、23年度以降、増加傾向にある。なお、この180社の立地当初の雇用者数は、1万1,559人となっている。 301 ◯飯盛委員 どのような企業が立地しているのか、特徴を尋ねる。 302 △経済観光文化局長 23年度から26年度までの4年間に立地した企業180社のうち、特に多い分野としては、ITやデジタルコンテンツなどの、いわゆるクリエイティブ産業が72社となっており、全体の4割を占めている。 303 ◯飯盛委員 クリエイティブ産業の本市への立地が増加しているのはなぜか。立地企業側から見た本市の特性や魅力について尋ねる。 304 △経済観光文化局長 クリエイティブ産業については、一般的に、大規模な設備投資等の必要がなく、サービスや製品を開発する人材が成長の源であること、また、グローバルに展開する企業が多いといった特徴がある。一方、本市は人口増が続いており、多くの教育機関も集中しているため、豊富で優秀な人材を採用しやすいこと、低廉なビジネスコストを初め、ビジネス環境が整っていること、アジア諸都市に近接していることといった特性を有することに加えて、本市に立地しているクリエイティブ企業からは、コンパクトなまちでストレスが少ない、チャレンジしやすいまちの雰囲気がある、創造性をなりわいとする人材にとって住みやすいといった魅力があるとの評価を得ているところである。こうした本市の特性や魅力がクリエイティブ産業のニーズに合致しているため、本市への立地につながっているものと認識している。 305 ◯飯盛委員 先日、東京へ行った際、東京のIT系スタートアップ企業の人々との意見交換の機会があった。彼らによれば、市長のトップセールスやマスメディアでの積極的なPR活動の効果は顕著で、ここ2~3年で、東京のIT業界かいわいで、ビジネス拠点としての本市に対する認知、評価が急激に上昇しており、地方拠点設置を考える際には本市が必ず候補に挙がるとのことであった。本市ではどういった方針でクリエイティブ産業のビジネス拠点としての本市に対する認知、評価を高め、立地促進の取り組みを進めているのか。 306 △経済観光文化局長 クリエイティブ産業は他の産業と比較して企業同士の情報交換が盛んで、企業の集積がさらに集積を呼ぶという特徴を持った産業分野であることから、クリエイティブ企業の関係者の中で、本市のビジネス拠点としての特性や魅力に関する認知を広め、評価を高めていくことが大変重要であると考えている。このため、クリエイティブ企業に影響力のある媒体等を活用した積極的なPR活動を行うほか、東京や海外主要都市など、いわば発信力のある都市で開催されるセミナーなどでの、トップによるプレゼンテーションの実施、企業トップや業界のキーマンとなる人々へのトップセールスの実施など、本市を挙げて戦略的な企業誘致に取り組んでいるところである。 307 ◯飯盛委員 IT企業においては、スタートアップ企業が事業に失敗した場合でも、創業や事業の成長に寄与した経験を有する高度人材は高く評価され、業界内での人材の循環が生まれていると聞いている。こうした高度人材は別の新たな企業に携わることで当該企業の成長を促し、ひいては業界全体の付加価値を高める結果につながっているとのことであった。さらに、IT企業においては、当初は4~5人で創業したが5年後には10倍以上の規模になっている例も多いと聞く。当初の雇用規模が比較的小さくとも今後の成長が見込まれる分野で、かつ正規雇用を期待でき、また、本市の魅力や特性に合致しているならば、スタートアップ企業も多く含まれるクリエイティブ産業の集積に注力すべきと考えるが、所見を伺う。
    308 △経済観光文化局長 ITを初めとするクリエイティブ産業は、本市の魅力や特性に合致していることに加え、付加価値が大きく、今後、日本経済を牽引していくことが期待される、成長戦略上、大変重要な分野であること、スタートアップ企業も多く、企業の成長に伴い経済の活性化や雇用の拡大に大きな効果が期待されることなどから、今後とも企業誘致や産業振興上の重点分野に位置づけ、注力していきたいと考えている。 309 ◯飯盛委員 クリエイティブ産業の立地促進に向けた本市の方針については賛同しているが、今後も企業の立地が継続していくのか懸念を持つ。クリエイティブ産業の立地促進についての課題と対応状況について尋ねる。 310 △経済観光文化局長 クリエイティブ産業立地促進についての課題については、クリエイティブ関連企業の本市への進出が増加している中、業界の急激な伸長により、開発等を担う人材不足が喫緊の課題となっているところである。特にクリエイティブ関連企業が地方へ拠点を新たに設立する場合には、進出先に将来のコアメンバーとなるIT・デジタルコンテンツ開発経験者が必要とされる場合が多く、現在、この層の人材が不足している。こうした人材不足という課題の対策の一つとして、本市では25年度から、IT・デジタルコンテンツ開発経験者の首都圏から本市への移住、転職を促す取り組みを進めており、26年度からは福岡クリエイティブキャンプと称して事業に取り組んでいるところである。 311 ◯飯盛委員 福岡クリエイティブキャンプ事業の概要について尋ねる。 312 △経済観光文化局長 福岡クリエイティブキャンプ事業は、首都圏等のクリエイティブ人材を対象として本市への移住、転職を支援するものである。具体的には、東京などで、本市の特性や魅力を伝えるセミナーなどのイベントを開催し、開催に当たっては、クリエイティブ業界専門誌などで積極的にPRを展開している。これに参加してもらい、本市への移住、転職を希望するクリエイティブ人材の人々を人材登録し、その後、市内企業と人材とのマッチングを行い、本市内企業への移住、転職を支援しているものである。 313 ◯飯盛委員 福岡クリエイティブキャンプ事業の実績について尋ねる。 314 △経済観光文化局長 26年度の福岡クリエイティブキャンプ事業の実績については、東京等で開催したイベントに合計約400人のクリエイティブ人材の参加があり、本市への移住、転職を希望して登録した人材と市内企業とのマッチングを行った結果、最終的に約10人のクリエイティブ人材の移住、転職が実現している。なお、27年度も引き続き本事業に取り組んでおり、東京等で開催したイベントへの参加者は合計約450人、本市への移住、転職を希望するクリエイティブ人材の登録者は既に60人を超えており、現在、これらの人材の本市への移住、転職を支援しているところである。 315 ◯飯盛委員 政府においては、平成26年9月に、まち・ひと・しごと創生本部を設置するなど、地方創生の動きが活発化している。本市へのU/Iターンを促進するという観点では非常に親和性が高いと感じているが、政府の地方創生の動きとの関係について尋ねる。 316 △経済観光文化局長 平成26年12月に閣議決定された長期ビジョン及び総合戦略においては、今後取り組むべき施策として、地方における安定的雇用を創出すること、地方への新しい人の流れをつくることが掲げられており、東京圏から地方へのU/Iターンを促進することとしているところである。本市においては、政府における地方創生の動きに先駆け、25年度よりクリエイティブ人材のU/Iターン、移住、転職の促進に取り組んできたところであるが、昨今の国の動きを背景に、26年度の事業推進に当たっては、本市の予算に加え、国の緊急雇用創出事業、また27年度は地方創生交付金の予算を活用し、積極的に事業推進に取り組んでいるところである。 317 ◯飯盛委員 今後の成長が見込まれる分野で、市民の正規雇用拡大が期待できるクリエイティブ産業の立地促進に積極的に取り組んでいることは、都市の成長と生活の質の向上の好循環をつくり出すという都市経営の基本戦略にも合致するものであると理解しており、評価できるものである。さらなるクリエイティブ産業の集積に向けた本市の意気込みについて、市長に伺う。 318 △市長 クリエイティブ産業は国の成長戦略であるクールジャパンの政策に位置づけられており、本市の都市特性に非常に親和性が高く、また今後の成長エンジンとなり得る産業分野である。本市では、ITやゲーム、映像などのデジタルコンテンツを初めとするクリエイティブ産業を都市の成長を牽引する付加価値の高い産業と位置づけ、産業の振興、集積を強力に推進しているところである。さらに、平成26年5月の国家戦略特区の指定を契機に、IT関連を中心に、創業機運が大いに高まるとともに、今般、特区を活用して本市が提案した電波法の規制緩和が政府の再興戦略に盛り込まれるなど、クリエイティブ産業の振興に向けた新たな環境も整いつつある。今でこそ地方創生の柱となった東京から地方への人の流れも、福岡クリエイティブキャンプ事業などでいち早く取り組んできた。ITとものづくりが融合した新たな産業、いわゆるIoTが世界的な潮流となりつつある昨今、今後、クリエイティブ産業の次なるステージとして、本市はこの世界の流れをいち早く取り込み、本市をIoTの拠点とすべく、新たな挑戦をしていく。人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市として、都市の成長と生活の質の向上の好循環を一層加速させ、「FUKUOKA NEXT」という次のステージへ本市を押し上げるため、今後もクリエイティブ産業の振興にしっかりと取り組んでいく。 319 ◯新村委員 不登校生徒やその保護者への支援制度の一つ、不登校対応教員の配置制度について質問する。本年9月議会では、配置校と未配置校とを比較することで本制度の有益性を確認した。一方で、配置が外れた直後の中学校では、各校の自助努力による校内適応指導教室、通称ステップルームの懸命な継続運営にもかかわらず、不登校生徒数が増加に転じてしまうリバウンドの現状を鑑み、本制度のさらなる拡充の必要性を含めた徹底検証を要望したところである。不登校対応教員の未配置校と配置校における1校当たりの不登校生徒数について、本制度開始直前の20年度と26年度の数値及び、その間の減少率を尋ねる。 320 △教育長 20年度末及び26年度末の1校当たりの不登校生徒数については、不登校対応教員の未配置校は20年度9.5人、26年度7.7人で、減少率は18.9%、配置校は20年度25.0人、26年度14.2人で、減少率は43.2%である。 321 ◯新村委員 同様に、不登校生徒の復帰率の過去6年間の平均値を尋ねる。 322 △教育長 未配置校27校の平均が11.3%、配置校42校の平均が38.5%である。 323 ◯新村委員 本制度に対する当局の評価を尋ねる。 324 △教育長 不登校対応教員の配置については、不登校対応教員が校内適応指導教室、いわゆるステップルームに通う生徒一人一人の状況に応じてきめ細かな支援を行うことができ、不登校生徒の学級復帰に効果があったと捉えている。 325 ◯新村委員 本制度は不登校対応教員を外部から配置するものではないが、その仕組みについて詳細を尋ねる。 326 △教育長 不登校対応教員については、ステップルームの運営や不登校生徒への支援体制づくりを行うために、不登校生徒に専任的に対応する不登校対応教員の配置校を教育委員会が決定している。配置校においては、不登校対応教員を正規教員の中から学校長が選任し、選任された不登校対応教員の教科指導を補充するために、市費の非常勤講師を配置している。 327 ◯新村委員 本制度に係る費用は、加配された非常勤講師の人件費との理解でよいか。 328 △教育長 不登校対応教員に選任された教諭の代替として加配される非常勤講師の人件費である。 329 ◯新村委員 本制度の26年度決算額を尋ねる。 330 △教育長 26年度決算額は6,895万4,000円である。 331 ◯新村委員 配置校1校当たり幾らの費用がかかったことになるのか。 332 △教育長 配置校1校当たりの費用は299万8,000円である。 333 ◯新村委員 福岡県の中学校の正規教員1人に係る人件費の平均約853万円と比較してもかなり低コストに制度運営されていることがわかる。非常勤講師の就業時間等を尋ねる。 334 △教育長 非常勤講師の勤務については、不登校対応教員が行う教科指導を補充しており、1日5.5時間、1週間で27.5時間である。 335 ◯新村委員 非常勤講師が授業をかわりに請け負うことで、選任を受けた不登校対応教員がきめ細かに不登校生徒やその保護者に寄り添えている。先ほど本制度の著しい成果が示された一方、配置が外れた22校では、直後1年間で不登校生徒数が59名増加しているという事実は決して見逃せない。非常勤講師1名を加配することの重要性ははかり知れず、当局も本制度を高く評価しているが、今後、制度のさらなる充実、拡充は検討しないのか。 336 △教育長 不登校対応教員については、教育委員会の予算全体の中で総合的に判断した結果、課題の大きな学校に対して配置を行っており、今後も不登校の子どもへの支援に関する事業を推進するとともに、検証を続けていく。 337 ◯新村委員 拡充への議論を含めたあらゆる検証と理解してよいか。 338 △教育長 そのとおりである。 339 ◯新村委員 拡充は考えず、24校に継続配置していくという本年9月議会での答弁から、随分と前向きな答弁に変わったと理解する。制度導入当時の計画見通しはどのようなものだったのか。 340 △教育長 不登校対応教員については、21年度当時、不登校生徒が20人以上おり、課題を抱えた学校20校に3年間配置するという計画のもと、不登校対応教員の配置を開始したものである。 341 ◯新村委員 過去6年の配置校数の推移を尋ねる。 342 △教育長 不登校対応教員については、21年度は20校に配置し、22年度は23校、23年度以降は24校に配置している。 343 ◯新村委員 22年度と23年度の予算拡充の理由を尋ねる。 344 △教育長 予算拡充については、不登校生徒数が20人以上の学校は21年度18校、22年度10校と減少したが、課題の大きな学校が依然として多かったため、総合的に勘案し、不登校対応教員の増員を行ったことによるものである。 345 ◯新村委員 検証指標である不登校生徒数と復帰率は、予算拡充に影響を与えなかったのか。 346 △教育長 予算については、不登校生徒数や復帰率を含めて毎年度、全市的に検証を行い、その結果、必要な予算措置を行ったものである。 347 ◯新村委員 不登校生徒数及び復帰率について、制度実施から1年目、2年目、3年目の数値を尋ねる。 348 △教育長 不登校対応教員を配置した学校の不登校生徒数については、1年目は55人減少、2年目は47人減少、3年目は162人減少している。また、復帰率は1年目は21.1%、2年目は23.9%、3年目は59.5%である。 349 ◯新村委員 3年目の成果検証後に拡充への検討または予算要求を行ったのか。 350 △教育長 24年度予算については、23年度における成果などについて検証を行い、学校の状況を勘案した上で、23年度と同様の予算措置を行ったものである。 351 ◯新村委員 皮肉にも最大の成果を上げた3年目以降に現状維持予算が続いているが、拡充への議論そのものもなかったのか。 352 △教育長 23年度における成果などについて検証を行い、学校の状況を勘案した上で23年度と同様の予算措置を行ったものである。 353 ◯新村委員 状況を勘案したという答弁では、なぜ拡充を図ったのか、なぜ拡充を図らなかったのかを誰も理解ができない。その決断に至るまでの過程を明確に提示することが必要であることを指摘しておく。もし検証から判断までの詳細過程を明確にできないのであれば、検証を行う際のルール、または組織体制の不備やそもそもの検証への姿勢の希薄さについて指摘せざるを得ない。民間企業では、さまざまな事業プロジェクトを立ち上げた際、その成果が著しい場合は拡充路線をとり、成果が乏しい事業は縮小または撤退する。事業判断の機会をうかがわずに安易に現状維持姿勢をとり続けてしまっては赤字も出続け、本来得られるはずの機会損失が出続けるため、それを防ぐために一つ一つの事業による成果を必死に分析し、検証を絶えず続けていくわけである。本制度において、配置校数の拡充を図ろうとしない消極的姿勢によって生じてしまう機会損失について、どのように考えているのか。 354 △教育長 不登校対応教員の配置については、教育委員会の予算全体の中で総合的に判断した結果、課題の大きな学校に対して配置している。不登校対応教員の配置を含めた不登校の子どもへの支援に関する事業を推進することで、不登校児童生徒数は減少してきている。 355 ◯新村委員 ぜひ将来への機会損失にも目を向けられたい。特に不登校対応教員配置制度の財源は税金であり、検証への姿勢をより示して、制度の今後のあり方の議論につなげるよう強く要望するが、所見を問う。 356 △教育長 不登校対応教員の配置については、26年度においては不登校生徒数が20人以上の中学校は9校と減少しているが、不登校についての課題が多様化してきているため、引き続き24校への配置を行っており、今後も事業の検証を続けていく。また、不登校対応教員の有無にかかわらず、各中学校において長期的な視野で組織的な支援体制を構築し、不登校生徒に対応するよう指導、助言を行っていく。 357 ◯新村委員 予算編成時の1件査定制度から局区予算制度への移行は、当局の事業検証責任を大きく求めるものである。以前主流だった1件査定制度とはどのような性格のものか。 358 △財政局長 1件査定制度については、一般的に、予算要求部署が所要額の予算見積もりを行った事務事業について、予算編成総括部署が1件ずつその必要性や優先順位等を精査し、所要額を査定する予算編成手法である。 359 ◯新村委員 一方、局区予算制度は17年度予算編成時に初めて導入され、25年度にさらに強化されているが、この制度の説明と導入経緯を尋ねる。 360 △財政局長 局区予算制度については、市民ニーズを的確に把握し、新たな課題に効果的、効率的に対応していくため、より現場に近い局区が自律的に事業の組みかえや改善に取り組み、予算見積もりを行う予算編成手法である。17年度当初予算編成においては、局の自律経営、市役所内分権、現場主義の観点から、各局が主体的に予算見積もりを行う局予算制度を導入することとしたものである。25年度当初予算編成においては、局区の自律経営の推進を図るため、従来、1件査定を行っていた重点事業を含めて、局区の裁量を拡大する見直しを行ったものである。 361 ◯新村委員 事業もろもろの予算配分を行う際に、各局の裁量権限が大幅に増したという理解でよいか。 362 △財政局長 局区予算制度により一定程度、予算編成における局区の裁量が拡大されてきたものと考えている。 363 ◯新村委員 局区予算制度においては、事業、制度の成果を精査していく作業や事業を今後どうしていくかの判断、決断において、当局側に、より責任が求められるということである。不登校対応教員配置制度の決算額について、21年度からの推移を尋ねる。 364 △教育長 決算額については、21年度5,452万3,000円、22年度6,575万3,000円、23年度6,612万8,000円、24年度6,596万9,000円、25年度6,701万8,000円、26年度6,895万4,000円である。 365 ◯新村委員 過去6年間の支出額は3億8,834万5,000円であり、これらをもとに不登校生徒数の削減にどれほど貢献してきたのかを示す試算はあるか。 366 △教育長 成果については、不登校対応教員の配置を含めた不登校の子どもへの支援に関する事業を推進した結果、中学校においては6年間で不登校生徒数が269人減少し、復帰者数の累計は1,778人である。 367 ◯新村委員 6年間での支出を復帰者数1,778人で割ると、復帰実績1人当たり21万8,400円という費用が算出される。本年9月議会で、不登校支援とは、学校に通うことのできない彼らにとって将来の重要な岐路にもなり得る貴重な投資であると指摘した。彼らの未来を応援していくことは、彼ら自身が人生を豊かなものにしてくれるための寄り添い支援であると同時に、彼らの将来の活躍を通して社会全体へ公益が還元されることでもある。不登校支援にかけた経費が行く行くは将来の社会的収支にどれほど寄与していくのかといった大局的視点が当局にあるか。 368 △教育長 不登校問題への対応については、不登校を心の問題としてのみ捉えるのではなく、進路の問題としても捉え、本人の進路形成に資するような指導、相談などの対応を行うことにより、子どもたちの将来的な社会的自立に寄与していくものと考えている。 369 ◯新村委員 不登校の生徒たちを対象にしたその後の追跡調査などを実施した経緯はあるか。 370 △教育長 不登校生の卒業後の進路状況については、毎年、年度末に調査を行っており、その翌年度の9月に追跡調査を行っている。 371 ◯新村委員 その調査内容の詳細を尋ねる。 372 △教育長 追跡調査の内容については、毎年、年度末に不登校生の進路先について、進学先や就職先、家事に従事しているのか、進路先が決まっているのかなどの状況を詳しく調査し、翌年度の9月にその後の状況についてさらに調査を行っている。 373 ◯新村委員 いわゆる進路調査と理解するが、それよりも長期的に、不登校のまま卒業した生徒たちがその後、成人してからの実社会でどれほど苦労を強いられ、悩みを抱えているのかを把握しようという姿勢なくして、本来、不登校生徒の数を減らしていこうとする取り組みは成り立たないのではないか。なぜ不登校生徒数を減らしていこうとするのかという根幹の問いへの解は、大局的かつ長期的視野に基づいた検証にこそあるのではないかと思う。今後のさらなる高みへの検証姿勢に期待したいが、所見を伺う。 374 △教育長 不登校児童生徒数を減少させることは重要課題と認識しており、不登校対応教員の配置を初め、楽しい学校生活を送るためのアンケート、いわゆるQ-Uアンケートを小学校4年生から中学校3年生までの全児童生徒に実施するなど、不登校の未然防止や早期発見に努めている。また、全国的に見ても、早い時期からスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置し、さらに学校の選択による中学1年生の少人数学級の実施など、さまざまな取り組みを行った結果、本市の不登校児童生徒の出現率は全国平均や福岡県平均に比べて低く推移している。引き続き、現在取り組んでいるこれらの事業について、検証を重ねながら推進していく。 375 ◯新村委員 不登校対応教員の配置に伴い非常勤講師を加配する本制度は、不登校に悩む多くの生徒とその保護者を支えてきたものであり、費やす費用と比較にならないほど未来社会の公益に資するものと確信している。しかし、その一方で、この制度を享受できない学校では、もがき苦しみ続けている生徒や保護者がいるため、どうかこの制度の歩みをここでとめないでもらいたい。これから予算編成も大詰めになると思うが、制度における配置校の拡充を含めたさらなる検証、改善を再度強く要望するが、当局の所見を伺う。 376 △教育長 不登校対応教員の配置については、教育委員会の予算全体の中で総合的に判断した結果、課題の大きな学校に対して適切に配置を行っている。不登校児童生徒を減少させることは重要課題と捉えており、不登校対応教員の配置を含めた不登校の子どもへの支援に関する事業については、今後も検証を続け、不登校児童生徒の減少に努めていく。 377 ◯川口委員 市長の出張旅費について、アイランドシティの土地分譲と立地交付金について、質問する。市長の出張旅費について、25年度分となる平成26年2月24日の出張の精算が、年度内に決裁ができずに26年度に支出したということであるが、追加支給日及び金額を尋ねる。 378 △総務企画局長 平成26年11月13日に、往路の航空賃、宿泊料などとして5万1,570円を支出した。 379 ◯川口委員 経緯等は以前に質問したので割愛するが、これはよくないと思っている。議会の出張の場合は、購入した航空券の領収書も提出し、出張先の応対者の名刺も報告には必要である。市長の場合は、市長が命令権者ということであり、不要な誤解も招きやすく、実際のところは状況がわからない。当該出張については、予約したのは午後5時ぐらいの飛行機だったと思うが、出張先で急に時間外公務が入ったため、職員が市長を空港まで送迎しなければならないようなことになってしまった。このような誤解を招く行為は起きないようにしなければならないと思っている。後からわざと変更したのではないかと思われても仕方がない。適正処理と再発防止に向けてどのような取り組みを行ったのか。 380 △総務企画局長 再発防止に向けた取り組みについては、今回の旅費支給事務の誤りが情報共有の徹底や根拠資料の確認が不足していたという事務処理のミスによるものであることから、平成27年2月に旅費支給事務の処理手順等を記載した旅行命令書の作成マニュアルや精算に係る事務フロー図を作成して、周知を行った。それらを適切に活用することにより、同様の事務処理誤りがないよう、再発防止の徹底を図っているところである。 381 ◯川口委員 取り組みが不十分だと思っている。通常ならば、発注局である総務企画局の庶務担当課に連絡が行くはずであるが、そこに連絡が行っていなかった。外部から指摘されて、1年近くもたってミスに気づいた。これは職員にとっても迷惑である。発注局にきちんと連絡が行って初めて変更されると思っていたら、当局の回答は、市長が命令権者であるから、秘書課の職員に言えば変更が成立するということである。しかし、総務企画局の庶務担当課は聞いていないということであり、このような問題が起きている。十分に対策を講じたとしても、市長の場合、急な公務が発生したときに、また同様のことが起きるのではないか。急な出張が入れば、職員は時間外勤務を急にしなければならないような羽目になるのではないか。そこでミスをしたら、また職員はひどい目に遭う。出張の変更命令を受けた者が速やかに文書により変更を知らせなければ、「言った」「聞いてない」ということになる。実効性のある見直しをすべきであり、出張命令書を作成した部署にきちんと伝わるよう、変更を依頼された職員が文書で周知を図るようにすべきと思うが、どう考えるか。 382 △総務企画局長 旅行命令の変更については、早急な対応が必要となる場合も多く、文書で伝達することが困難なときも多くあると考えている。そのため、旅行命令書作成マニュアルや精算に係る事務フロー図を活用して、関係部署と連絡を密にするとともに、旅費の精算の際に適切に確認することで再発防止を徹底していきたいと考えている。 383 ◯川口委員 事後であっても、きちんと変更したという書面が必要である。最終的に変更の連絡が届いていなければ、職員にとっては迷惑である。出張の変更については文書を出すように改善されたい。次に、アイランドシティの土地処分と立地交付金について尋ねる。現在の立地交付金の重点地区であるアイランドシティの土地分譲の進捗状況について、26年度までの累計で、計画どおりに分譲できているのか、おくれているとすれば何がおくれているのか。 384 △港湾局長 平成24年3月に示したアイランドシティの収支見込みにおいては、26年度末までに市工区、博多港開発工区を合わせたアイランドシティ全体で約147ヘクタールの分譲を行う予定としていた。これに対して、計画を変更して分譲したものを含め約130ヘクタールの分譲を行っており、進捗率は約9割となっている。土地処分が予定した年次よりおくれている区画は、みなとづくりエリアの港湾関連用地の一部、まちづくりエリアのセンター地区及び住宅用地の一部、小学校予定地などで、面積の合計は約18ヘクタールとなっている。 385 ◯川口委員 収支見込みでは、27年度に分譲を計画した区域も含めて、計画に対して分譲がおくれている区画の今後の見通しはどうか。特にセンター地区の分譲についてはどうか。また、照葉小学校については児童数が予想以上に増加し、分離新設が必要であると判断したようだが、アイランドシティ地区の新設小学校は、いつ土地を購入し、いつ建設するのか。 386 △港湾局長 土地処分がおくれている区画のうち、今年度は港湾関連用地やセンター地区など約9.4ヘクタールの土地処分を行う見込みであり、残りについても早期に土地処分ができるよう全力で取り組んでいく。また、平成24年3月に示した収支見込みでは、27年度は市工区の港湾関連用地や住宅用地など約4.6ヘクタールを分譲する予定となっており、分譲に向けて取り組んでいるところである。また、センター地区については、その東側に立地が予定されている総合体育館など周辺施設の開発との連携または相互補完を行い、相乗効果を生み出すような広域集客施設などの立地に向けて、現在、複数の事業者と協議を行っており、今年度内に公募手続を開始したいと考えている。 387 △教育長 アイランドシティ地区の新設小学校については、平成31年春の開校を目指しており、基本設計、実施設計の後、平成29年7月ごろ着工し、平成30年12月に竣工を計画している。新設小学校の用地については、関連予算を議会に諮り、建設工事の着工前に取得する。 388 ◯川口委員 全力で土地処分に取り組んでいくということであるが、アイランドシティの臨海整備事業収支については現段階で約160億円の赤字が見込まれている。今後の事業実施は大丈夫なのか、考えを尋ねる。 389 △港湾局長 アイランドシティにおける土地処分などによって港湾整備事業特別会計の26年度末基金残高が約298億円となるなど、港湾整備事業特別会計の健全性を維持できていると考えている。今後とも着実に土地処分を進めるとともに、効率的な事業推進や経費の削減を図り、港湾整備事業特別会計の安定的な運営に努めていく。 390 ◯川口委員 土地が売れないために平成24年3月に見直しを行ったが、分譲地の進出企業に支払う立地交付金について、市民への説明が十分ではなかったと思っており、きちんと説明すべきである。基金残高が298億円あるとの答弁であるが、これは百道浜などの売却収入で市民の財産としてためてきたものである。また、土地分譲も計画どおりにいっていない。土地が売れ残り、計画に比べて今でも1年分のおくれがあるが、将来的には2年分ぐらいのおくれとなることも考えられる。26年度は111%の分譲率で、かなり追いついたように見えるが、実はこれは体育館用地、道路用地などほとんどが市の購入によるものである。来年3月末ぐらいに、教育委員会が土地を購入すれば何とかなるのかもしれないが、民間に分譲すべきであり、雇用もふやさなければならない。そのような中で、売れ残っている土地は市5工区にも、港湾地区にもあり、余裕があるという段階ではなく、市民にきちんと説明して頑張って分譲せざるを得ないと思う。また、総合体育館については、あのような場所に建設を計画し、駐車場も足りないと委員会で答弁するような状況では、無理やり市が土地を購入して救済していると思われても仕方がない。26年度立地交付金の交付実績と、そのうち重点地区であるアイランドシティに立地した事業者への交付状況を尋ねる。 391 △経済観光文化局長 26年度の立地交付金の交付実績については、交付件数25件、交付額7億475万円余となっている。このうち重点地域であるアイランドシティに立地した企業に対する交付実績は、交付件数4件、交付額1億1,682万円余となっている。 392 ◯川口委員 これまでの立地交付金の実績のうち、重点地域であるアイランドシティの交付額について尋ねる。 393 △経済観光文化局長 重点地域であるアイランドシティに立地した企業に対する交付実績については、14年度の創設から26年度末までで、交付件数17件、交付額10億9,584万円余となっている。 394 ◯川口委員 このような使途もやむを得ないと思うが、片や、例えば保護費も1割カットされる。公民館なども含めた市民生活関連予算とのバランスも考えるべきである。立地交付金は本年度末に期限を迎え、平成28年3月までに申請を受理した事業者に適用されるということであるが、その後、この制度はどうなるのか。 395 △経済観光文化局長 24年度に制度改正して大幅に拡充した現行の立地交付金制度については、平成28年3月末を期限としており、その時点で終了することとしている。24年度から26年度末までの3年間で立地交付金を活用して誘致した企業は67社に上り、このうち交付済みの企業47社の税収効果は年間3億円、経済波及効果は530億円、雇用者数は約1,300人と見込んでおり、アイランドシティの土地分譲も含めて、大きな成果があったと考えている。今後、平成28年3月末までに認定申請があった事業者については現行制度を適用することとなるため、それまでの間は現行制度を活用し、関係局とも連携して企業誘致に努めていきたい。平成28年4月以降の立地交付金制度のあり方については、改めて、競争関係にもある他都市の制度の状況なども踏まえながら、現在検討を進めている。 396 ◯川口委員 平成28年4月以降のことがわからないというのは、企業にとっても心配であろうし、早く方針を出さなければならない。方針の決定に当たっては、現行の交付要件についても検証すべきである。例えば、日清製粉(株)に対しては、立地先の施設に移転補償を行った上、26年度に立地交付金2億円を渡している。また、ナフコに対しても、大規模集客施設ということで立地交付金を出している。その前にもいろいろな企業に立地交付金を支出しているが、余り雇用が進んでいない企業もある。そういった状況でどうするのか、来年度の方針を早く出すべきである。その際には、議会や市民に十分に説明して意見を聞いた上で進めるべきと思うが、最後に取り組みの決意を聞いて、質問を終わる。 397 △経済観光文化局長 立地交付金制度については、都市間での競争がある中で、効果的に企業誘致を進めていく上で大変重要な制度であると考えており、平成28年4月以降の立地交付金制度のあり方については、議会や市民に示し、意見を十分にいただきながら検討していく。 Copyright (c) FUKUOKA 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